異物がのどにつまった

気道に入ったか、食道に入ったか

異物が気道に入った場合は、咳込んだり、呼吸音がヒューヒューいったりするのでわかります。また、完全に気道が閉塞していると声を出せないため、図11のような動作をします。これを「窒息時のサイン(チョークサイン)」といい、大至急、異物を取り除かなければ死に至ることがあります。
食道に入った場合は、よだれが増え、吐き気、嘔吐がありますが、まず死亡することはありません。ただし、ボタン型電池と薬の外装(PTP)は合併症を起こす可能性があるため、すぐに病院を受診する必要があります。

図11 窒息時のサイン

のどをギュッとつかむ

【1】自発的に強い咳をしている場合は、咳や呼吸努力を妨げない。

  • 指による異物のかき出しは、一般の人にはすすめられない。異物をさらに奥に押し込み、気道の閉塞を悪化させることがあるので、異物が口腔内に確実に見える場合以外には行わないこと
  • 電気掃除機による吸引もすすめられない

【2】咳をしなくなった場合や、呼吸困難が進行して反応が乏しくなった場合などは、次に述べるような閉塞を解除するための手当(気道異物除去)を行う。
    気道異物除去の方法には、腹部突き上げ法(ハイムリック法)と背部叩打法がある。

  • 1歳以上の小児から成人の場合は、腹部突き上げ法(図12)または背部叩打法(図13)を行う。成人の場合は、まず腹部突き上げ法を優先し、効果がなければ背部叩打法によって、異物を排出するまで、あるいは意識がなくなるまで行う
  • 1歳未満の乳児や妊婦の場合は、腹部 突き上げ法は行わない。背部叩打法(図14)のみを実施する

図12 腹部突き上げ法

後ろから両手で抱きかかえ、片方の手の握りこぶしの親指側をみぞおちのやや下方にあて、もう一方の手で握りこぶしを握り、すばやく内上方へ向けて圧迫するように押し上げる。

図13 背部叩打法(小児~成人)

手のひらの付け根で左右の肩甲骨の中間あたりを何度も強く連続して叩く。

意識や反応がない場合

  • ただちに119番に通報し、心肺蘇生法を開始する。この場合の心肺蘇生法には人工呼吸も有効なので、人工呼吸ができる人は取り入れる
  • 心肺蘇生法の各サイクルごとに口をあけて、口腔内に異物があるならば除去するが、異物の除去に固執することなく、胸骨圧迫を確実に安定的に行うようにする

図14 背部叩打法(乳児)

救助者の片腕に乳児をうつぶせに乗せ、手のひらで乳児の顔を支えて頭を体より低く保つ。
もう一方の手のひらの付け根で、背中の真ん中を何度も強く連続して叩く。