どんな病気か

 種々の血清蛋白質の変化によって、全身にアミロイド(異常な繊維状の蛋白質)が蓄積するアミロイドーシスという病気のなかで、神経障害を主な症状にするものをいいます。FAPと略されてFAP I〜IVの4つの病型がありますが、トランスサイレチンという蛋白質の30番目のアミノ酸が変化したFAPIが最も頻度の高いことが知られています。

原因は何か

 トランスサイレチンの遺伝子であるTTRに、変化している部分のあることが原因です。変化したトランスサイレチンは、もともと甲状腺ホルモンなどを血中で運ぶはたらきがあるのですが、それが末梢の神経をはじめ、肝臓、心臓、皮膚、甲状腺などに過剰に沈着して、症状が現れます。

 日本では熊本と信州で患者が多く認められるという地域的特徴が以前はありましたが、最近の遺伝子検査の普及により、家族性が明らかでない、熊本・信州地域以外の例も増加しています。

症状の現れ方

 両方の足先より始まるチクチクとする感覚、温度感覚の低下が靴下状の分布で起き、下痢や便秘、立ちくらみ、排尿障害などの自律神経症状が出現します。これに体重減少や心電図異常などが加わり、数年〜数十年を経て、心不全、尿毒症、肺炎などで死亡します。

検査と診断

 組織を生検してアミロイドを染めて沈着を証明する方法のほか、血清中の変化したトランスサイレチンを検出する方法、TTR遺伝子の変化を遺伝子検査で確認する方法などがあります。

治療の方法

 変化したトランスサイレチンを作りだす主な臓器である患者の肝臓に対して、正常肝を移植する方法が行われています。症状の進行を止めることができる唯一の有効な治療法ですが、神経症状を改善するかどうかが確実ではなく、移植後に視力障害を来すことがあること、ドナー(提供者)や費用の問題など、解決すべき問題も多くあります。

病気に気づいたらどうする

 神経内科の専門医がいる病院を受診することが肝要です。遺伝子検査や遺伝についての疑問があれば、遺伝カウンセリングを行っている医療施設にご相談ください。

(執筆者:後藤 雄一