どんな病気か

 色の見え方の異常で、生まれつきのものは遺伝性です。男性では4〜6%、女性では0・4〜1・3%にみられるといわれ、軽症のものを含めるとたいへん多いことが知られています。

 網膜には、赤、緑、青を認識する3種類の細胞(錐体)があります。圧倒的に多いのが、赤と緑の色覚異常です。今まで色覚異常は、全色盲、色盲、色弱と呼ばれていましたが、現在ではそれぞれ1色覚(錐体が1種類しかないもの)、2色覚(錐体が2種類しかないもの)、異常3色覚(3つの錐体のうち、1種類が正常でないもの)といいます。生まれつきの色覚異常は、程度にかなり差がありますが、進行することはありません。

原因は何か

 ヒトの赤と緑の錐体視物質の遺伝子はとても似ているうえにX染色体の長腕上に並んでいるため、遺伝子組換え時に異なった構造を容易に引き起こします。結果として異なる視感度をもった視物質を作り出します。X染色体が1本の男性においては、この影響をより大きく受けるので、女性に比べて赤と緑の色覚異常を引き起こしやすくなります。

症状の現れ方

 重篤な色覚異常を除くと、症状を訴える前に親が異常に気づいたり、検査によって色覚異常が明らかになったりします。眼科で精密検査をすれば、色覚異常の種類や、程度を診断することができます。すべての面で色覚異常を差別しない流れですが、1色覚のように重篤な色覚異常もあるので注意は必要です。

病気に気づいたらどうする

 有効な治療法はありません。赤と緑の色覚異常であれば、あまり心配する必要はありません。現在では、動力車操縦者や航空管制官等、ごく一部の職業につく場合にしか、制限はありません。

(執筆者:堀田 喜裕