大病院がよいのか

 医師をどう選ぶかということは、患者さんの一生を決めるほど重要な問題ですが、実際にはなかなか難しいことです。その最大の理由は、医療機関または医師についての客観的で信頼できる情報がほとんどないということだと思います。そのため患者さんはどうしても、大病院指向の傾向が強くなり、3時間待って3分診療などとマスコミから非難されているのが現状です。

 しかし、信頼できる医師は病院の大小には関係なく、小さな町の開業医のなかにも立派な医師はたくさんいます。現在、厚生労働省では、かかりつけ医をもつことと、医療機関同士の連携を推進しています。これはまず、家の近くに信頼できるかかりつけ医をもち、普段はそこで診てもらい、必要に応じてより大きな病院を紹介してもらうというシステムです。

 それでは、どのようにして信頼できるかかりつけ医を選んだらよいのでしょうか。

かかりつけ医の選び方

 まずは、近所の人の評判が参考になると思います。そのうえで一度自分で受診してみて、次の点に注意しながら自分の目で確かめるのがよいでしょう。

(1)最初にあなたの顔を見ながら、あなたの訴えや現在の病気の経過、今までにかかった病気などについて、ていねいに聞いてくれるか。

(2)診察の時にカルテにきちんと記載しているか、診察の結果や治療方針についてきちんと説明してくれるか。

(3)わからないことについて気楽に質問できる雰囲気があるか。

 以上のようなことが判断の目安になると思います。それからもうひとつ大切なことは、前にも述べましたが医療機関同士の連携という意味から、地域の中核病院などとの連絡がよく、特殊な検査が必要になったり、自分では判断に困った時などには、適切なほかの専門病院などを紹介してもらえるかどうかということです。

 医師と患者さんの間で最も大切なことは、お互いの信頼関係を築くことなので、以上に述べたような項目を参考にして、その医師が自分のかかりつけ医にふさわしいかどうかを決めるのがよいでしょう。

受診時の心得

 次に、医師にかかる際の患者さんの心得として重要なことをあげてみます。

(1)自分の病歴や医師に言いたいことをあらかじめ整理しておくこと。

(2)説明されたことはメモをとり、診療内容についてよく理解しておくこと。

(3)患者さんは自分で治療内容を選択したり、決定できるように、納得がいくまで説明を求めること。

(4)医師の治療方針に不満があったり、納得できない場合には、もう一人、別の医師の意見を聞く(セカンドオピニオン)ことも時には必要になります。

(5)どんな治療法にも長所と短所があるので、医師にすすめられた治療の利点と欠点を考えて、どの治療法を選択するのかは、最終的に患者さん自身が決定するという自覚をもつことが重要です。

(執筆者:折茂 肇