お年寄りで増える薬の副作用

 歳をとると、年齢を10で割ったほどの数の病気をもつといわれ、それぞれの病気に対して薬が必要になります。しかし、お年寄りでは、薬の体内での処理能力が落ち、また飲み合わせが悪い薬の組み合わせが増えるなどが原因で、薬による副作用が増えます。時にはそれが原因で体の不調が続いたり、生活能力が失われたりします。お年寄りで体の不調を覚えたら、まずは最近新たに処方された薬の副作用を疑う必要があります。

薬の原則3S

 お年寄りでは、一般に大人の服薬量の半分で十分効果が得られます。また、医師から飲み続けることが必要だといわれる薬以外は、効果が必要な短期間で中止することが副作用防止のために必要です。さらに、複雑な処方は飲みすぎ、飲み忘れの原因となりますので、朝だけ、あるいは朝・夕のみなどの単純な処方をしてもらうことも必要です。

 つまり、small(少量)、short(短期間)、simple(単純な処方)の「薬の原則3S」を心がけることが大切です。

「おくすり手帳」の利用を

 「おくすり手帳」は複数の病院から個人に処方された薬の名前や飲む量、回数などの記録(薬歴)を残すための手帳です。医師、歯科医師、薬剤師にこの手帳を見せることで、同じ薬が重なっていないか、あるいは飲み合わせの悪い薬が処方されていないか等について、確認してもらえます。受診のたびに「おくすり手帳」を持参しましょう。「おくすり手帳」は調剤薬局で無料でもらえます。

服薬管理

 飲み忘れなく薬を服用するために、食事と一緒に薬を準備しておく、ピルケースを用意する、服薬カレンダーを利用するなどがすすめられます。認知症のあるお年寄りでは、できるだけご家族の確認の下で服薬していただくようにすることも必要です。

お年寄りが服用を避けるべき薬のリスト

 日本老年医学会が発行している「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2005」には、「高齢者に対してとくに慎重な投与を要する薬物のリスト」として45種類の薬剤(群)と代替薬が記されています。薬を新たに服用して体調の優れない時は、その薬がこのリストにあがっていないか等、医師や薬剤師と相談してください。

(執筆者:森本 茂人