どのような状態か

 頭痛は誰もが一生のうちに何度も経験する、よく知られた症状です。しかし、その種類は実に多岐にわたり、なかには生命の危険につながるものもあります。大切なことは、痛みを抑える対症療法だけで対処すればよい頭痛と、原因を突き止めてその治療を行う必要がある頭痛とを区別することです。

 前者の多くは一次性頭痛または機能性頭痛と呼ばれ、後者は二次性頭痛もしくは症候性頭痛と呼ばれます。代表的な一次性頭痛は片頭痛と緊張型頭痛ですが、その多くは若いころに始まるので別項を参照してください。

 二次性頭痛には、くも膜下出血や脳腫瘍のような頭蓋内の疾患によるもののほか、副鼻腔炎や緑内障などの頭蓋外の疾患によるものがあります。加齢によって、二次性頭痛の原因となる疾患が増加する傾向があります。

必要な検査と疑われる病気

 検査で最も大切なことは、二次性頭痛の原因となる疾患の除外です。問題となる頭痛が、これまでに経験したことのない性質や強さであったり、徐々にひどくなったりするようなら、必ず神経内科か脳外科を受診してください。また、痛み以外の症状、たとえば手足のしびれやしゃべりにくさなどを伴っている場合にも専門医の診察が必要です。

 くも膜下出血や脳腫瘍のような頭蓋内の疾患を診断するためには、CTやMRIなどの画像検査が必須です。発熱や意識混濁などを伴っている場合には、脳炎や髄膜炎を除外するために、腰椎穿刺によって脳脊髄液を採取して検査することがあります。

 眼、鼻、副鼻腔、歯、頸、頭蓋骨などの疾患を除外するために、眼科、耳鼻科、歯科などを受診する必要があります。眼の病気のうちで、とくに急性緑内障は早期に治療をしないと失明する恐れがあるので、決して見落としてはならない疾患です。顔面や後頭部の鋭い間欠的な痛みでは、三叉神経痛や後頭神経痛、それに帯状疱疹が疑われます。慢性のがんこな頭痛では、うつ病などの精神科疾患を考慮する必要もあります。

家庭での対処のしかた

 不安感は頭痛を悪化させるので、いつもと違う頭痛でどこかおかしいと感じたら、迷わずに受診してください。頭痛の強さや性質は本人にしかわからないので、それをできるだけ具体的に伝える努力が必要です。頭痛が生じた日時、持続時間、痛みの性質、嘔吐などの合併症状、誘因などを記録しておくと、診断に大変役立ちます。また、鎮痛薬を長期間服用していると、逆に薬が頭痛の原因となる場合もあるので、服薬の記録を残しておくことも大切です。

 慢性の頭痛で誘因が明らかな場合には、それを避けるような生活習慣を心がけることが第一です。頭痛の誘因となりやすいのは、精神的ストレス、飲酒、カフェイン、睡眠不足、眼に負担をかける作業、同じ姿勢を続ける作業などです。

(執筆者:飯島 節