どのような状態か

 歯肉そのものがはれる場合と、歯肉より深いところにある病巣が大きくなって歯肉を隆起させ、結果として歯肉がはれたようにみえる場合の2つがあります。

 歯肉がはれる病気として、炎症と腫瘍があります。炎症には歯肉炎、歯周炎があり、高い頻度で発症します。腫瘍には歯肉がんがあります。

 歯肉を隆起させる深層の病巣には、化膿性炎(感染によってうみがたまる病気)、嚢胞(袋をつくり、病巣内部に液体がたまる病気)、歯肉のまわりの組織や、より深層で発症する腫瘍、たとえば唾液腺腫瘍、悪性リンパ腫、骨に発症する腫瘍などがあります。

必要な検査と疑われる病気

(1)歯肉炎、歯周炎

 歯肉と歯の間のポケットと称するすきまの深さを、ポケットプローブという器具で検査します。歯肉のはれと歯を支えている歯槽骨の吸収が悪化すればすきまが深くなり、症状が改善されれば浅くなります。歯槽骨吸収の有無と程度を診断するためにX線検査を行います。

(2)腫瘍

 歯肉深層の骨の破壊吸収の有無と程度を診断するためにX線、CT、MRIなどの検査を行います。正確な診断を得るために細胞診や生検(組織の一部を切除し、顕微鏡下で精査する検査)を行います。

(3)うみがたまる病気

 試験的穿刺(はれている病巣に針を刺し、吸引された内容液を検査する)により、うみであることを確認します。得られたうみに対して、菌の同定(細菌の種類を判定)と抗生剤の感受性(抗生剤の菌に対する有効性)について検査を行います。

(4)嚢胞

 嚢胞があごの骨のなかに発症したものか、軟部組織に発症したものかを調べます。病巣の大きさ、深層における隣接組織の状態を調べるためにX線、CT、MRIなどの検査を行います。はれている病巣に試験的穿刺を行い、内容液を調べます。

 必要に応じて、腫瘍との区別を目的に病理組織検査を行います。

受診について

 症状の発症があれば、早期に口腔外科、または耳鼻科を受診することをすすめます。

(執筆者:山口 雅庸