どのような状態か

 いびきは、睡眠中に呼吸に合わせて発生する異常音です。異常音には、鼻やのどの空間が狭いため空気が通過する際に起こる摩擦音と、口蓋垂(俗にいうのどちんこ)や咽頭の粘膜が振動して起こる振動音があります。

 睡眠中にはのどの筋肉がゆるむため、誰でもいびきをかくことがあります。とくに飲酒後や疲労時には、普段いびきをかかない人でもいびきをかきやすくなります。こうした場合のいびきは、ベッドパートナーや同居者から騒音として問題にされることもありますが、病的な意味はほとんどありません。

 一方、大きないびきや呼吸のリズムが乱れる場合は病的で、いびきの間に呼吸が10秒以上止まる無呼吸が、7時間の睡眠中に30回以上起こる場合を、睡眠時無呼吸症候群と呼びます。

 睡眠時無呼吸症候群では、朝の目覚めが悪い、昼間眠い、頭が重い、集中できないなどの症状が現れます。さらに、睡眠中の呼吸機能の低下は、血液中の酸素の不足から高血圧、不整脈、心不全などを引き起こし、重症の場合は突然死の原因にもなります。

必要な検査と疑われる病気

 いびきの原因は、全身的な原因と局所的な原因に分けられます。

 肥満は代表的な全身的原因のひとつで、内分泌疾患や神経・筋疾患でもいびきをかきやすくなることがあります。一方、局所的な原因としては、鼻アレルギー、慢性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、アデノイドの肥大などがあげられます。

 また、のどが狭い場合にもいびきをかきやすく、口蓋扁桃の肥大や口蓋垂の過長、あごの骨の発育が悪い場合などが原因としてあげられます。原因に応じて保存的・外科的治療を実施します。

 いびきの検査では、単純ないびきか無呼吸を伴ういびきかを見分けます。簡易睡眠モニター(アプノモニター)は、在宅でも行える簡便な検査法です。

家庭での対処のしかた

 いびきや無呼吸は本人の自覚が乏しいため、ベッドパートナーや同居者がその状況を確認する必要があります。枕元に録音機を置いて、睡眠中の様子を記録するのもひとつの方法です。単純ないびきであれば、枕を変えたり、頭の向きを変えることで軽減することがあります。また、口腔内装置の装着が有効なケースもあります。一方、減量に努め、飲酒をひかえるのも重要です。

 無呼吸がある場合は専門医を受診し、適切な治療を受ける必要があります。

(執筆者:大前 由紀雄