どのような状態か

 胸やけとは、前胸部の中央のあたりが熱く焼けるように感じることで、みぞおちのあたりが重くなったりムカムカする胃もたれとは異なった症状をいいます。

 胸やけは食道に炎症が起きたり、刺激されたりすると起こる症状で、食後とくに大食後や就寝直前に食事をした時に起こりやすくなります

必要な検査と疑われる病気

 胸やけを起こす病気のほとんどは胃食道逆流症という病気で、食べ物を消化する力の強い胃液が食道のなかに逆流し、食道内に長時間とどまるため、食道に傷ができたり炎症が起こります。この病気は高齢者に多く(5〜10人に1人)、そのため、胸やけは高齢者によくみられる症状となっています。

 胸やけ症状のある場合、胃内視鏡検査が行われることが多く、この検査で食道の胃に近い部分に病変が見つかることがよくあります。時に高齢者では大きな傷が見つかることもあります。ただし、頻回に胸やけを感じる人でも、その半数は胃内視鏡検査で病変が見つからず、より専門の病院での検査が必要な場合もあります。

家庭での対処のしかた

 胸やけを頻回に感じる場合は、胃食道逆流症の合併症として食道からの出血やがん化を伴っている場合があるため、必ず一度は医療機関を受診し、胃内視鏡検査を受ける必要があります。

 胸やけは食後、とくに油っこい物を食べたあとや大食後に起こりやすいので、油っこい食品や酸度の高いミカン、レモン、トマトなどをたくさん食べないように気をつけます。また、就寝直前に食事をしないようにします。腹圧が高くなると胃液が食道に逆流しやすくなるため、腹部を締めつけるような服装は避けます。睡眠時に上半身を少し高くして眠るほうが、胸やけが起こりにくくなります。

(執筆者:木下 芳一