どのような状態か

 上腹部のしこりは医学的には「上腹部腫瘤」といいます。おなかのなかに腫瘍などのできものができる場合、臓器自体が大きくなる場合、皮膚やおなかの壁にできものができる場合などがあります。

 固さはどうか、触って動くか、押して痛むか、発熱はあるか、一時的なものか、食事によって変化がみられるか、黄疸はあるか、便通に異常はないか、拍動があるか、などが診断を進めるうえで重要なポイントです。

必要な検査と疑われる病気

 上腹部には胃、十二指腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓などのさまざまな臓器や大動脈などがあります。消化管にガスや食物がたまって一時的にしこりとして触れる場合もありますが、臓器のどこかにがんによる腫瘤ができて、それをしこりとして触れる場合が最も心配です。発熱と痛みを伴う場合は炎症によるもの、固くて動きが悪く、しこりがなかなか消えない場合には腫瘍によるものの可能性があります。

 まず血液・尿・便検査、腹部単純X線写真をはじめとして、内視鏡検査あるいは消化管X線造影検査で消化管を調べ、次に腹部超音波、腹部CT、腹部MRI検査などでおなかのなかの消化管以外の内臓を調べ、どの臓器にどのようなものができているかを最終的に診断します。

家庭での対処のしかた

 発熱と痛みを伴うしこりの場合は炎症性である可能性が高く、手当てが遅れると敗血症になることもあるので、ただちに医師の診察を受けてください。

 しこりが一時的なものならまず心配はいりませんが、しこりがなかなかなくならず固くて動きが悪い場合、食欲低下や体重減少、食後の痛みや嘔吐、黄疸、便秘や血便などを伴う場合には、がんのおそれがあるので早めに消化器専門医を受診しましょう。

(執筆者:伊藤 俊之