どのような状態か

 排尿する気がないのに尿が出てしまう状態です。尿道の外括約筋がゆるんだり、または排尿メカニズム(図6)が円滑にはたらかない場合に尿がもれます。

疑われる病気

 女性で最も多いのは、出産や産婦人科手術などにより外括約筋が傷つけられて、ゆるんでしまう場合です。立ち上がったり、くしゃみをしたり、笑ったりして、腹圧が高くなった時に、外括約筋がしっかりしまらないため尿がもれます。これを腹圧性尿失禁(ストレス尿失禁)といいます。高齢女性に多くみられる腹圧性尿失禁は、女性の社会的活動を阻害する大きな要因のひとつになります。

 排尿筋が過敏になり、ある程度膀胱に尿がたまるとがまんできなくなり、トイレに行く前にもれてしまう状態を切迫性尿失禁といいます。これは脳卒中のあとなどにもみられます。

 尿路に障害があったり、前立腺肥大症が進行すると、極端な場合には、自分で排尿できなくなり、膀胱いっぱいにたまった尿が、常にたらたら滴下している状態(横溢性尿失禁)になります。

 また、男性では前立腺肥大症に対して尿道を通して内視鏡手術をする際、あるいは前立腺がんの手術をする際に、外括約筋を傷つけることがあり、尿もれを起こすことがあります。

 そのほか、排尿筋が無意識のうちに収縮する過活動膀胱や、脳卒中など各種の神経の病気で起こります。

家庭での対処のしかた

 専門医による正しい判断と治療を受けることをすすめます。

(執筆者:阿曽 佳郎