どのような状態か

 高齢になると背中や腰が痛くなるのはめずらしいことではありません。また、たくさん歩いた、力仕事をした、買い物で重い荷物を持って長時間歩いた、中腰で庭仕事をしたといったことのあとに、数日間、背中や腰の痛みが出るのも当然のことです。しかし、動けないほどの痛み、2週間以上にわたって改善の兆しのない腰痛、腰だけでなく脚まで痛むといった場合には注意が必要です。

疑われる病気

 考えられる病気として頻度の高いものに、筋・筋膜性腰痛、変形性脊椎症、骨粗鬆症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、脊椎圧迫骨折があります。このうち腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアは、腰で神経が圧迫されるため下肢の痛みも伴います。

 また、頻度は低いのですが、感染症や腫瘍による腰痛もあります。発熱を伴う急激な腰痛は細菌感染症を、徐々に悪化する安静時の痛みは腫瘍の可能性を考える必要があります。

家庭での対処のしかた

 一般に加齢に伴う心配の少ない腰痛や、脊椎変形に伴う慢性腰痛は、減量や腹筋・背筋などの筋力の強化、腰臀部や股関節周囲のストレッチをすることで改善することがあります。また、多くの急性の腰痛も安静にすれば改善します。2週間以上続く腰痛、激烈な腰痛、下肢の症状を伴う腰痛などは、整形外科で検査をしてもらってください。

 X線やMRIの検査、必要に応じて血液検査などをすることで、どのような原因で腰痛が起きているのかを突きとめることが大切です。

(執筆者:石橋 英明