どのような状態か

 かゆみは、かきたいという衝動(掻破衝動)を起こさせる特殊な皮膚感覚で、かゆみ刺激(物理的刺激や起痒物質などの化学的刺激)が皮膚に存在する神経終末(かゆみ受容器)で感受され、脊髄、視床を通って大脳皮質に伝えられて生じるものと考えられています。

 かゆみは引っかくこと(掻破)で症状が軽くなりますが、一方で、掻破動作によって新たなかゆみが誘発されたり、皮膚が傷ついてかゆみが長引く場合も少なくありません。

 体がかゆいと感じられる状態は、このかゆみ感覚が掻破によっても消えず、体の比較的広い範囲に起こる状態といえます。

必要な検査と疑われる病気

 検査は一般的な末梢血検査、生化学検査を行い、異常の有無を確認します。体のかゆみは、皮膚に掻破痕以外に特別な発疹がないものと、かゆみの原因になる発疹があるものに大別されます。

 発疹がない場合は、高齢者特有の乾燥肌(老人性乾皮症)に基づくかゆみ(老人性皮膚掻痒症)が最も多いので、まず乾皮症とかゆみに対する一般的な治療を行います。効果がない場合は、かゆみの原因になる内臓疾患(糖尿病、腎臓や肝臓の慢性疾患、悪性腫瘍など)や、常用薬剤の有無についてさらに調べます。

 発疹がある場合(湿疹や皮膚炎、じんま疹、痒疹、疥癬など)は、その性状から診断し、原因を調べて各疾患の治療にあたります。

家庭での対処のしかた

 日常生活ではなるべく皮膚をかかないように心がけましょう。治療は市販の抗ヒスタミン成分配合薬の外用を試みます。発疹がないかゆみでは保湿外用薬(尿素など)、発疹があるかゆみではステロイド外用薬を塗ってもよいでしょう。これらの薬物療法で十分な治療効果が認められない場合や、睡眠が妨げられるほどのかゆみがある場合は、受診する必要があります。

(執筆者:種井 良二