どのような状態か

 床ずれ(褥瘡)は、自力で体を動かせない状態の病人や高齢者などに多く発症します。長時間の圧迫にさらされた皮膚が虚血状態となり、局所に発赤、水疱、びらん、潰瘍、黒色壊死などの変化が生じたものです。

 体圧が加わりやすい骨突出部(臀部中央、大腿外側、腰骨側面、かかと、肩など)に発生しやすく、助長・悪化因子として、寝たきり、栄養状態や全身状態の低下、関節拘縮(関節を動かさないでいること)、失禁などがあげられます。

必要な検査と疑われる病気

 局所管理として、病変部に湿潤や悪臭などがあり、細菌感染が合併した疑いがある場合は、必ず培養検査を行います。原因不明の発熱がある場合は、褥瘡部(とくに黒色壊死の皮下)にうみがたまっていないかを確認する必要があります。骨に達する深い褥瘡では、骨髄炎の有無を調べるために画像検査を行うこともあります。

 全身の管理では血清アルブミン値、貧血の有無、血糖値、血清鉄などを検査して、栄養や全身状態改善の指標にします。

家庭での対処のしかた

 病院に受診する、あるいは往診で必ず一度は医師に診察してもらいましょう。重症や難治の場合には医療者による定期的な経過観察が必要になります。

 処置は1日1〜2回で、発赤のみの軽症の場合は亜鉛華軟膏の塗布、ガーゼ保護のみでもよいでしょう。びらんや潰瘍がある場合は、消毒あるいは洗浄(生理食塩水や滅菌精製水による)したあとで市販の抗生剤含有軟膏、病院処方の潰瘍治療薬などを塗ってガーゼで保護します。創傷被覆材による密閉治療が有用な場合もあります。

 可能な範囲で体位の変換を行うとともに、ウレタンやエアマットレスなどの体圧分散寝具を活用しましょう。車椅子は体に合ったものを用い、正しい姿勢と体圧の分散に心がけます。栄養バランスと食事摂取量をチェックすることも大切です。発熱がなければ入浴、シャワー浴は可能で、局所の防水フィルムカバーは必須ではありません。

(執筆者:種井 良二