しんしゅつせいちゅうじえん滲出性中耳炎

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滲出性中耳炎とはどんな病気か

 急性炎症を伴わず、中耳に滲出液(しんしゅつえき)がたまっている状態です。子どもから大人まで、あらゆる年齢層に発症しますが、子どもの頻度が圧倒的です。大人では片側性のことがありますが、子どもは大半が両側性です。
 放置すると鼓膜(こまく)が陥没したり、萎縮したり、取り返しのつかない変化が起こることがあるので、適切な治療が必要です。

原因は何か

 子どもでは、中耳炎が長引いて起こることが大部分です。背景に、耳管(じかん)の機能不全による中耳換気障害が存在します。アデノイド肥大や口蓋裂(こうがいれつ)、粘膜下口蓋裂(ねんまくかこうがいれつ)など、はっきりした原因が認められる割合は多くありません。
 大人では、まれに上咽頭(じょういんとう)がんの初発症状である場合もあるので、片側のみで治療しても効果のない場合は注意を要します。

症状の現れ方

 症状の主体は難聴(なんちょう)ですが、乳幼児では訴えが少なく、返事が悪くなったり、テレビの音を大きくしているなどの症状から、まわりの大人が気がつくことが多いようです。
 大人では、難聴以外に、耳が詰まる、声が響く、頭が重いなどを訴えます。

検査と診断

 診断は、顕微鏡で鼓膜を観察すれば容易です。一般に鼓膜は陥没していることが多く、中耳の貯留液が認められます。そのほか、聴力検査、鼓膜の可動性をみるティンパノメトリーなどが行われます。また、耳のX線やCT検査が行われることもあります。

治療の方法

 子どもでは、中耳周囲の空間の発達がよい場合は、治療経過もよいので、治療法を選択する際には参考になります。学齢期までには90%以上が治癒するので、保存的治療が基本になります。
 耳管機能に影響する鼻咽腔の炎症を取り除くため、鼻ネブライザー、さらに耳管通気(じかんつうき)が行われます。マクロライド系抗生剤の少量長期投与や、抗アレルギー薬、粘液調整薬、漢方薬なども併用されます。
 軽症の場合では経過観察でもよいのですが、悪化時の適切な対応が重要です。
 4歳を過ぎても保存的治療の効果がない場合、また難聴が30dB(デシベル)以上の場合は発育にも影響するので、積極的に鼓膜切開(こまくせっかい)を行います。鼓膜切開は、乳幼児でも外来で簡単に行うことができ、感染がなければ鼓膜の穴は数日で閉鎖するので心配いりません。
 鼓膜切開を繰り返し行ってもすぐ再発する場合や、鼓膜の陥没が強い場合には、鼓膜を切開し、穴がふさがらないように細いシリコン性チューブを置き、外耳道を経由して換気できるようにします。乳幼児では、体動による損傷を防ぐため、全身麻酔が必要になります。中耳が正常化するまで、チューブの長期の留置が望ましいので、定期的に耳鼻科の診察を受ける必要があります。また、チューブを置いた状態で耳に水が入ると中耳炎を起こす危険があるので、入浴時・水泳時などには耳栓を入れるなどの生活指導が必要です。
 アデノイド肥大により耳管を圧迫している場合や、扁桃肥大(へんとうひだい)があり感染を繰り返している場合では、口蓋扁桃(こうがいへんとう)切除術、アデノイド切除術を行うことがあります。

滲出性中耳炎に気づいたらどうする

 子どもの場合は、慢性化するため、長期の治療が必要です。症状に変動がありますが、大半の患者さんでは成長とともに軽快するので、根気よく通院することが大切です。
 外科的治療の目的は、癒着性中耳炎(ゆちゃくせいちゅうじえん)、真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎などの重篤な合併症の予防と、難聴の持続による発達への悪影響を避けるためであることを、よく理解してください。

(執筆者:菅澤 正

※初診に適した科を掲載しています。なお病院・診療所によって診療科目の区分は異なりますので、受診の際はよくご確認ください。


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