ぜったい舌苔
舌苔とはどんな病気か
舌の表面に白色または黄褐色、または黒色の苔(こけ)状に見えるものをいいます。
舌苔は唾液(だえき)の分泌腺(ぶんぴせん)の機能状態や分泌量、分泌液の状態、口腔内常在菌(こうくうないじょうざいきん)、体調などの影響を受けます。また、唾液腺は交感神経と副交感神経の二重支配を受け、自律神経の影響から、内臓神経との関連が強く、内臓の状態を反映すると考えられます。口腔は上部消化管の性状をもつと考えてよく、胃粘膜(いねんまく)の状態が良くない場合には、一般に舌苔は多く厚くなります。味覚や感覚を低下させることで食欲を減らして、食物摂取を減少させることにより、胃腸を保護する働きがあるといわれています。
健康な状態では舌苔は少なく薄くなりますが、適度な量の舌苔は水分の保持と健全な細菌の層を築き、細胞や味蕾(みらい)を保護します。生体は常に恒常性(こうじょうせい)を保つ機構がありますが、この舌苔のバランスも口腔内細菌や免疫反応が巧妙に関与して、恒常性の機構をもたらしています。
原因は何か
舌苔の異常の原因は(1)唾液量分泌不足による口の渇き、(2)免疫力の低下(かぜ、睡眠不足)、(3)口呼吸、(4)食べ残しが多い歯みがき、(5)喫煙、(6)加齢、(7)ストレス(緊張)、(8)全身的疾患(熱性疾患、糖尿病、シェーグレン症候群、自律神経失調症、十二指腸潰瘍)、(9)薬の副作用があります。
症状の現れ方
健康な人でも体調により舌苔の色や量が変化します。通常の量では口臭に影響を与えません。舌苔が厚くなると違和感、味覚異常を覚え、口臭に影響を与えます。
治療の方法
治療は、原因疾患があれば治療しますが、舌苔自体は治療の必要はありません。へらなどを使ってこすり取るようなことは、粘膜を傷つけることになり、他の病気につながってしまいます。
規則正しい生活をすることと舌をしっかり使うこと(十分な咀嚼(そしゃく)と会話)、新鮮な唾液の分泌を図ることが大切です。介護が必要な老人など自分で歯みがきができない場合は、舌の表面の汚れを軽くとってあげます。
(執筆者:三浦 一恵)
※初診に適した科を掲載しています。なお病院・診療所によって診療科目の区分は異なりますので、受診の際はよくご確認ください。
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