だえきせんえん、じかせんえん唾液腺炎、耳下腺炎
- 【歯科口腔外科】
- 初診に適した科
どんな病気か・原因は何か
唾液腺炎には、口腔常在菌(こうくうじょうざいきん)による感染、ウイルスによる感染、または自己免疫性疾患などがあります。
化膿性(かのうせい)唾液腺炎
唾液分泌が低下すると口腔の常在菌(細菌)が導管(唾液腺の腺房から唾液を口腔内に導く管)より侵入し、化膿性唾液腺炎となります。唾液腺に炎症が生じると痛みを伴う腫脹(しゅちょう)(はれ)が現れ、さらに唾液腺周囲にも炎症が拡大します。唾液腺炎の特徴は、導管の開口部に腫脹がみられ、圧迫によって開口部から排膿(はいのう)があることです。唾液腺炎は耳下腺(じかせん)に多く現れ、次いで顎下腺(がくかせん)にみられます。
(1)耳下腺炎:耳前部皮膚の腫脹および発赤(ほっせき)、側頭部から顔面部への痛みの放散が現れます。耳下腺部の圧迫によって、導管開口部から排膿がみられます。
(2)顎下腺炎:口底部の腫脹または顎下部の腫脹ならびに自発痛(何もしなくても起きる痛み)が現れます。口底部または顎下部の圧迫によって舌下部の導管開口部から排膿がみられます。
(3)小唾液腺炎:小唾液腺(口唇腺、口蓋腺、頬腺、舌腺など)に化膿性唾液腺炎が起こると、小唾液腺が存在する部位の口腔粘膜の腫脹、発赤ならびに自発痛が現れます。
流行性耳下腺炎
過労や衰弱など全身の抵抗力が弱まった状態で多く発症します。「おたふくかぜ」と通称されます。
ムンプスウイルスによる伝染性疾患で、感染者の唾液の飛沫(ひまつ)で感染します。小児、とくに2〜6歳児で感受性が高く、潜伏期間は2〜3週間です。感染すると耳下腺をはじめ甲状腺(こうじょうせん)、睾丸(こうがん)、卵巣(らんそう)、膵臓(すいぞう)などの腺性臓器に臓器障害を引き起こすことがあります。
症状は発熱および頭痛、四肢の筋肉痛などの初期症状に続いて、耳下腺部の痛みと腫脹が現れます。両側の耳下腺の腫れによって「おたふく」の顔になります。発症から約7〜10日で軽快しますが、髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎の合併には注意が必要です。
成人では、小児に比べ症状が重くなる傾向があります。
治療の方法
化膿性唾液腺炎では抗菌薬(抗生物質など)ならびに消炎鎮痛薬で治療します。炎症部に膿瘍(のうよう)(うみのたまり)が形成された場合では、切開などの消炎手術を行います。
ウイルス性唾液腺炎では、対症療法が主であり、鎮痛と解熱に努め、二次的な細菌感染の予防のために抗菌薬による治療が行われます。
(執筆者:近藤 壽郎)
※初診に適した科を掲載しています。なお病院・診療所によって診療科目の区分は異なりますので、受診の際はよくご確認ください。
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