ししゅうのうよう歯周膿瘍
- 【歯科】
- 初診に適した科
歯周膿瘍とはどんな病気か
歯周膿瘍とは、歯周ポケットの入口が何らかの原因で閉鎖され、膿瘍が形成された状態をいいます(図39)。
症状の現れ方
膿瘍内の圧力が高くなっているので、腫脹(しゅちょう)(はれ)、圧痛(押すと痛い)、自発痛を伴います。経過により、急性と慢性に分けられます。
重度になると歯が浮いたり、歯の揺れが大きくなり、噛むと痛みが著しくなり、発熱や、あごや首のまわりのリンパ節がはれることもあります。
歯の根の先にできる膿瘍との区別が不可欠ですが、歯のなか(神経)の病気を合併していることもあるので、歯科医での精密検査をすすめます。
治療の方法
膿瘍部を指で触れてみて、ぶよぶよしている感じがある場合は、切開してうみを出し、膿瘍の内圧を軽減し、痛みを和らげます。ポケットの入口がわかるときは、ここからうみを出すこともできます。次いで、ポケット内および膿瘍腔内を生理食塩水や消毒薬などで十分に洗浄します。
また抗生剤や、必要に応じて消炎薬(しょうえんやく)や鎮痛薬(ちんつうやく)を投与します。全身投与に用いる使用頻度の高い抗生剤は、テトラサイクリン系、ペニシリン系、セフェム系などがあります。局所投与では、テトラサイクリン系抗生剤軟膏が歯科医で使用することができます。
原則として、歯周ポケット内すなわち歯周炎になっている歯根面を、スケーリング(歯石除去)、ルートプレーニング(歯根研磨)し、原因因子であるプラークおよび歯石を極力機械的に取り除き、原因除去に努めることが大切です。
歯を支えている組織が減弱している歯に強い噛む力が加わると、急性膿瘍が起こることも少なくないので、隣同士の歯を固定したり、噛み合わせを調整することも必要です。
歯周膿瘍は、腫脹あるいは痛みがなくなったことで治ったととらえがちですが、対症療法にとどまらないようにすることがポイントとなります。すなわち、炎症性因子であるプラークと、異常なあるいは過度な力(歯ぎしりやくいしばり、悪習慣によって加わる力)をなるべく減らし、必要に応じて歯周外科療法を行い、長期にわたって維持管理する必要があります。
(執筆者:伊藤 公一)
※初診に適した科を掲載しています。なお病院・診療所によって診療科目の区分は異なりますので、受診の際はよくご確認ください。
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