とうにょうびょうそくびょうへん糖尿病足病変
糖尿病足病変とはどんな病気か
糖尿病足病変には、足の指の間や爪の白癬菌症(はくせんきんしょう)から、靴ずれや胼胝(べんち)(たこ)、足の潰瘍(かいよう)・壊疽(えそ)までが含まれます(図8、図9)。足病変が足壊疽まで進行すると治癒は難しく、足や下肢の切断が避けられない場合が少なくありません。米国では非外傷性下肢切断の約半数が糖尿病性足壊疽によるとされています。
原因は何か
糖尿病足病変の主な原因は、糖尿病末梢神経障害と血流障害、細菌への抵抗力減弱の3者です。しかし、この3者がそろったからといってただちに足壊疽になるわけではなく、靴ずれや胼胝、外傷などが直接的な引き金となります。
末梢神経障害があると、靴ずれができても、胼胝が大きくなっても、外傷を受けても、患者さん自身は痛みを感じにくくなるため、しばしば手当てが遅れます。本人が足潰瘍や壊疽の痛みを感じなければ、家族や医師や看護師も患者さんの足をみる機会は少ないので、発見が遅れます。発見や手当てが遅れれば、胼胝は潰瘍に、潰瘍は壊疽に進行しがちです。
予防の方法
足潰瘍や壊疽になるのを防ぐには、足病変の早期発見と早期対処が重要です。しかし、患者さん本人は足病変があっても痛みを感じないので、痛みからでは早期発見はできません。医師や看護師が患者さん全員の足を診察するのが理想的ですが、現実的には不可能です。
そのため、足病変のリスクの高い患者さんを抽出して、その患者さんの足をみて、靴ずれや白癬菌症、胼胝があれば処置をし、日常生活での足の手入れの指導を行うのが有効な方法です。足病変のリスクの高い人は表5に示すとおりです。
足潰瘍や足壊疽を一度経験した人は、神経障害や血流障害が高度に進んでいて改善しない場合が多いので、足病変の再発リスクが最も高くなります。常に靴ずれを繰り返したり胼胝ができやすい人や、白癬菌症のある人は、定期的に適切な処置を行わないと足病変が進行します。
糖尿病の腎臓合併症が腎不全にまで進行すると、神経障害も血流障害も高度に進行しているので、しばしば足潰瘍や壊疽を発症します。
足の血流障害の典型的な症状は、長く歩くと下腿が痛くなるが休むと改善する間欠性跛行(かんけつせいはこう)という症状です。血流障害は、足の拍動を触診したり、下肢と上肢の血圧比を測定したり、下肢動脈エコー(超音波)を行って直接確認することができます。
足潰瘍や壊疽を予防するには、足や足の指を患者さん自身や家族が毎日みて、清潔に保ち、外傷ややけどを避け、爪を切るときも深爪をしないようにすることが大切です。
また、足に傷や発赤、はれや出血を発見したり、痛みを強く感じたら、ただちに受診することが重要です。
(執筆者:渥美 義仁)
※初診に適した科を掲載しています。なお病院・診療所によって診療科目の区分は異なりますので、受診の際はよくご確認ください。
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