のうほうせいかんせん(はんぱつせい)膿疱性乾癬(汎発性)
膿疱性乾癬(汎発性)とはどんな病気か
表面にうみ(膿疱(のうほう))をもつ乾癬(尋常性(じんじょうせい)乾癬)で、発熱などの症状も現れ、乾癬の重症型と考えられています。日本では約1000人の患者さんがいると推定されている、まれな病気です。1年間に50人ほどが新たに発病しています。
原因は何か
尋常性乾癬と同様に原因は不明です。膿疱性乾癬の患者さんのなかには扁桃炎(へんとうえん)を合併する人がおり、その扁桃を切除すると発疹がよくなるので、細菌感染と関係があると考えられていますが、まだはっきりとしてはいません。
また、長い間ステロイド薬を使用してきた乾癬の患者さんが、急にステロイド薬の使用をやめることにより、つっかえ棒を外されたように発疹が出て悪化する場合があるため、ステロイド薬の中止が誘因と考えられる場合もあります。
疱疹状膿痂疹(ほうしんじょうのうかしん)は、膿疱性乾癬のひとつのタイプと考えられています。
症状の現れ方
にきびのような赤い発疹で始まり、2〜3日のうちに急速に大きくなり、それとともに赤い発疹のまわりを囲むようにうみが出て、中心は茶褐色の色がついた状態となっていきます(図27)。
発疹とともに熱が出て、全身がだるく、口のなかが荒れ、それらが併さって食欲が低下するため、低栄養となることもあります。
検査と診断
診断は、特徴的な発疹と経過から判断します。診断の確定のために、発疹の一部を切って顕微鏡で調べる組織検査を行います。血液検査により、炎症の程度や内臓に影響があるかどうかを診断します。細菌感染によるうみとの区別をするため細菌検査も行います。
治療の方法
基本的には尋常性乾癬に対する治療と同じです。しかし、症状が重いため、早期から強力な治療が必要になります。
したがって、内服薬や点滴による治療が主体となり、主としてステロイド薬の内服や点滴を行います。外用薬にもステロイド薬が用いられ、うみが多量に出る場合は肌を保護するためにガーゼをあて包帯をします。
内服薬として、ビタミンA類似物質であるレチノイド(チガソン)や免疫抑制薬であるシクロスポリン(ネオーラル)も用いられます。
レチノイドには催奇形性(さいきけいせい)や肝障害、シクロスポリンには腎障害や高血圧の副作用が出ることがあります。ステロイド薬にも糖尿病、胃潰瘍、高血圧、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、易(い)感染性(感染しやすい)、精神症状などの副作用が出ることがあるので、医師の指示どおりに服用することが大切です。
膿疱性乾癬(汎発性)に気づいたらどうする
すみやかに皮膚科専門医のいる医療機関を受診することをすすめます。初めて発病した場合は、入院して治療することが望ましいと考えられます。
関連項目
炎症性の角化症の全項目
(執筆者:金子 栄)
※初診に適した科を掲載しています。なお病院・診療所によって診療科目の区分は異なりますので、受診の際はよくご確認ください。
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