すぽろとりこーしすスポロトリコーシス
スポロトリコーシスとはどんな病気か
真菌であるスポロトリックス・シェンキーが皮膚に感染して、慢性の結節(しこり)や潰瘍性の病変を生じる病気です。
原因は何か
原因菌のスポロトリックス・シェンキーは自然(屋外)環境中に存在する菌で、日本では南の地方に多くみられます。自然環境中で、外傷により菌が侵入して発症します。したがって、住んでいる場所、年齢(外傷を受けやすい小児に多い)、成人では、職業(農作業に従事するなど)や趣味などが関係します。好発部位は、露出しやすい顔面や手から前腕などです。晩秋から冬にかけて多くみられます。
症状の現れ方
リンパ管型と固定型の病型があります。
リンパ管型は、手や指などの外傷部位に腫瘍あるいは肉芽腫(にくげしゅ)状に盛り上がり、潰瘍を伴う結節が原発巣として生じ、そのあとリンパ管沿いに結節状の転移巣を示します。
固定型は顔面に多く、リンパ管を介しての転移は認められず、肉芽腫性結節を示します。
検査と診断
真菌検査、病理検査、皮膚反応などで診断します。真菌検査には直接鏡検と培養検査があり、直接鏡検は白癬(はくせん)の場合と同じように病変の一部を採取して顕微鏡で調べます。しかし、白癬やカンジダ症に比べて菌要素を検出しにくい病気です。培養検査も白癬の場合と同様で、特徴的な菌の集落が生えます。
病理検査では一部の組織を培養検査に回すこともでき、最も確実な診断方法です。局所麻酔をして病変の一部をメスなどで採取し、そのあとを縫合します。特徴的な菌要素の検出や、慢性肉芽腫像などで診断できます。
皮膚反応はスポロトリキン反応といいますが、菌の培養液でつくった抗原液を結核のツベルクリン反応と同じように皮内反応させて48時間後に判定します。特異性が高く、診断に有用です。
治療の方法
内服療法、温熱療法、手術療法などがあります。
内服療法ではイトラコナゾール(イトリゾール)、テルビナフィン(ラミシール)、ヨウ化カリウムなどを用いますが、2〜3カ月の治療が必要です。皮膚真菌症診断・治療ガイドラインでは、ヨウ化カリウムが第一選択薬とされています。
温熱療法には使い捨てカイロが使われることが多いです。
スポロトリコーシスに気づいたらどうする
皮膚真菌症に共通していえることですが、抗生剤では治りません。外傷後の傷が抗生剤を内服しても治らない時は本症の可能性もあるので、皮膚科専門医を受診してください。
(執筆者:加藤 卓朗)
※初診に適した科を掲載しています。なお病院・診療所によって診療科目の区分は異なりますので、受診の際はよくご確認ください。
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