にぱういるすかんせんしょうニパウイルス感染症
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ニパウイルス感染症とはどんな感染症か
日本には存在しない輸入感染症ですが、発症すると重い脳炎を起こします。1998〜99年にかけてマレーシアで流行し、265名の患者が発生して105名が死亡しました。この流行は豚での流行がヒトへの感染源になったことが明らかになっています。この時にはシンガポールでも流行し、11名の患者が発生しました。
その後、インド、バングラデシュでも流行していて、これまでの患者総数は475名で251名が死亡しています。バングラデシュでは、これまでに9回も流行していて、オオコウモリの唾液や尿中に含まれるニパウイルスに汚染した果物からの感染が疑われています。また、患者からの二次感染による患者発生が半数を占めています。
ニパウイルスは、パラミクソウイルス科へニパウイルス属に分類されるウイルスで、オオコウモリ(ジャワオオコウモリ、ヒメオオコウモリ、コイヌガフルーツオオコウモリ、ヨアケコウモリ、インドオオコウモリなど)がウイルスを保有しています。
類縁のコウモリがオーストラリア、中国、カンボジア、インドネシア、マダガスカル、パプアニューギニア、タイ、ティモール等に分布していて、実際にウイルスを保有していることもわかっています。「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)では4類感染症に分類されます。
症状の現れ方
4〜18日の潜伏期間ののち、発熱、頭痛、筋肉痛などのインフルエンザ様症状で始まり、次いで脳炎症状(眠気、失見当識(しつけんとうしき)、けいれん)が現れ、1〜2日で昏睡に陥(おちい)ります。発症した場合の致死率は50%程度です。感染しても発症しない不顕性(ふけんせい)感染も多いと考えられています。
検査と診断
臨床症状だけではほかのウイルス性脳炎と区別できません。脳、肺、腎臓、脾臓(ひぞう)、血液からのウイルス分離やRT‐PCRによる遺伝子検出、血清中の特異抗体検出(ELISA法やウイルス中和試験)などの実験室検査により診断できます。
治療の方法
ウイルスに対する特効薬がないため、対症療法によります。リバビリンが実験的には有効ですが、臨床での治療効果に関しては未知です。
ニパウイルス感染症に気づいたらどうする
発症すると重い脳炎を起こしますが、ニパ脳炎が疑われるのは流行地への渡航歴がある場合です。マレーシアでの流行ではブタからの感染が明らかですが、バングラデシュでの流行は感染動物の組織や体液、血液との接触によると考えられています。
(執筆者:森川 茂)
※初診に適した科を掲載しています。なお病院・診療所によって診療科目の区分は異なりますので、受診の際はよくご確認ください。
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