人に下痢などの症状を起こす病原性大腸菌のうち、強い毒素を出し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)などを起こすものを「腸管出血性大腸菌」と呼ぶ。「腸管出血性大腸菌O157」のほか、「O26」「O104」「O111」「O128」などがある。2011年春に日本の北陸地方などで発生した食中毒では、病原菌として主に「O111」が、そのあとドイツを中心に発生した食中毒では「O104」が検出され、どちらも死者、重傷者を出す深刻な事態となった。腸管出血性大腸菌は激しい腹痛や下痢、血便などの症状を起こすことが多く、とくに子どもや高齢者は重症化する場合がある。牛などの家畜の腸内に棲みついていて、生や加熱不足の食肉を食べて感染する例が多いが、「75度C・1分間以上の加熱」で死滅する。