エストリオールの効能・用量・副作用など

エストリオールの基本情報

卵胞ホルモンは,主として卵巣と胎盤でつくられますが,一部は副腎や男性の睾丸によってもつくられます。子宮発育不全,無月経,月経不順,子宮不正出血,老人性腟炎などの卵巣機能不全による障害や,更年期障害の諸症状に処方されます。エチニルエストラジオールのみは,閉経後の末期乳がん,および前立腺がんが適応症です。

処方薬/市販薬 処方薬/先発品
分類 女性用ホルモン剤>卵胞ホルモン>エストリオール
形状 錠剤
製造販売会社 ポーラファルマ
保険薬価 錠剤1mg 1錠 9.80円
同じ分類の薬 先発薬: プレマリン  エストリール  ホーリン  メリストラーク  プロセキソール   

エストリオールの効果・効能

[結合型エストロゲンの適応症]卵巣欠落症状,卵巣機能不全症,更年期障害,腟炎(老人,小児および非特異性),機能性子宮出血
[エストリオールの適応症]更年期障害,腟炎(老人,小児および非特異性),子宮頸管炎ならびに子宮腟部びらん,老人性骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
[エチニルエストラジオールの適応症]閉経後の末期乳がん(男性ホルモン療法に抵抗を示す場合)/前立腺がん
[エストラジオールの適応症]更年期障害および卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(ホットフラッシュ,発汗)・腟萎縮症状,閉経後骨粗鬆症

エストリオールの用法・用量

1回0.1~1mgを1日1~2回。老人性骨粗鬆症の場合は,1回1mgを1日2回。

エストリオールの使用上の注意と副作用

基本的注意

*結合型エストロゲン(プレマリン),エストリオール(エストリール)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳がん,子宮内膜がん)およびその疑いのある人/乳がんの前歴/血栓性静脈炎・肺塞栓症またはその前歴/動脈性の血栓塞栓疾患(例えば冠動脈性心疾患,脳卒中)またはその前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人/重い肝機能障害/診断の確定していない異常性器出血/未治療の子宮内膜増殖症
[結合型エストロゲンのみ]本剤の成分に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に服用すべき場合……肝機能障害/子宮内膜症/子宮筋腫/心疾患・腎疾患またはその前歴/てんかん/糖尿病/SLE(全身性エリテマトーデス)/乳がんの家族素因が強い人,乳房結節のある人,乳腺症または乳房X線像に異常がみられた人/手術前または長期臥床状態/思春期前の少女
[結合型エストロゲン]片頭痛のある人
[エストリオール]骨成長が終了していない可能性のある人
(3)定期検査……服用中は,定期的に乳房検診,婦人科検診を受ける必要があります。
(4)血栓症……本剤を服用すると血栓症が現れることがあります。下肢の疼痛・むくみ,突然の呼吸困難,息切れ,胸痛,中枢神経症状(めまい,意識障害,四肢麻痺など),急性視力障害などの初期症状が現れたら,ただちに処方医へ連絡してください。
(5)肝腫瘍……[結合型エストロゲン]長期服用により,肝腫瘍が発生したとの報告があります。
(6)ホルモン補充療法(以下,HRT)と子宮内膜がん(子宮体がん)の危険性……卵胞ホルモン剤を長期間(約1年以上)使用した閉経期以降の女性では,子宮内膜がんになる危険性が対照群の女性と比較して高く,この危険性は使用期間に相関して上昇し(1~5年間で2.8倍,10年以上で9.5倍),黄体ホルモン剤の併用により抑えられる(対照群の女性と比較して0.8倍)との疫学調査の結果が報告されています。
(7)HRTと卵巣がんの危険性……卵胞ホルモン剤を長期間使用した閉経期以降の女性では,卵巣がんになる危険性が対照群の女性と比較して高くなるとの疫学調査の結果が報告されています。
(8)HRTと乳がんの危険性……米国での閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,本剤と黄体ホルモンの配合剤服用群は,乳がんになる危険性がプラセボ(偽薬)服用群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告があります。
(9)HRTと冠動脈性心疾患の危険性……米国での閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,本剤と黄体ホルモンの配合剤服用群は,冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ服用群に比較して高い傾向にあり,特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告があります。
(10)HRTと脳卒中の危険性……米国での閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,本剤と黄体ホルモンの配合剤服用群では,脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ服用群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告があります。
(11)HRTと認知症の危険性……米国での閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験によると,本剤と黄体ホルモンの配合剤服用群では,アルツハイマーを含む認知症になる危険性が,プラセボ服用群に比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)と報告されています。
(12)HRTと胆のう疾患の危険性……米国での閉経後の女性を対象とした無作為化臨床試験の結果,本剤と黄体ホルモンの服用群では,胆のう疾患の危険性がプラセボ服用群に比較して高くなる(ハザード比:1.59)との報告があります。
(13)骨密度を測定……[エストリオール,エストラジオール]老人性骨粗鬆症あるいは閉経後骨粗鬆症の人が本剤を服用する場合は,服用後6カ月~1年後に骨密度を測定し,効果がない場合は他の療法を考慮することになります。
(14)セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品……[エチニルエストラジオール,エストラジオール]本剤と併用すると,本剤の効果を弱めたり,不正性器出血の発現率を増大させるおそれがあります。服用中はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないでください。

副作用の注意
重大な副作用

(1)下肢の痛み・むくみ,呼吸困難,胸痛,中枢神経症状(めまい,意識障害など),視力障害などを初期症状とする血栓症,血栓塞栓症(四肢,肺,心,脳,網膜など)。
[エチニルエストラジオールのみ](2)心不全,狭心症。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

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