スーテントの効能・用量・副作用など

スーテントの基本情報

多細胞生物のみに存在するチロシンキナーゼは,細胞増殖や免疫反応などのシグナル伝達に関与しています。増殖因子が結合して活性化する受容体型のチロシンキナーゼが数多く見出されており,さまざまながんの増殖に関与していることがわかっています。代表的な分子標的治療薬のイマチニブメシル酸塩イマチニブメシル酸塩は,このチロシンキナーゼを阻害することでがん治療に応用されています。
この項の薬剤は,イマチニブでは効果が不十分,あるいはイマチニブが使えない場合の薬品として承認されています。

処方薬/市販薬 処方薬/先発品
分類 分子標的治療薬>イマチニブ抵抗性がん治療薬>スニチニブリンゴ酸塩
形状 カプセル剤
製造販売会社 ファイザー
保険薬価 カプセル剤12.5mg 1カプセル 7,482.40円
同じ分類の薬 先発薬: スプリセル  タシグナ   

スーテントの効果・効能

[スニチニブリンゴ酸塩の適応症]イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍,根治切除不能または転移性の腎細胞がん,膵神経内分泌腫瘍
[ダサニチブ水和物の適応症]慢性骨髄性白血病/再発または難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
[ニロチニブ塩酸塩水和物の適応症]慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病

スーテントの使用上の注意と副作用

警告

[共通]
(1)本剤は,緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な経験をもつ医師のもとで,適切と判断される人にのみ使用されるべき薬剤です。また,医師からその有効性・危険性の十分な説明を受け,患者および家族が納得・同意できなければ治療に入っていくべきではありません。
[スニチニブリンゴ酸塩のみ]
(2)心不全などの重い心障害が現れ,死亡に至った例も報告されているので,本剤投与開始前には必ず心機能を確認します。また,本剤投与中は適宜心機能検査(心エコーなど)を行い状態を十分に観察しなければなりません。
(3)可逆性後白質脳症症候群(RPLS)が現れることがあります。RPLSが疑われた場合は,本剤の投与を中止して適切な処置を行う必要があります。
[ニロチニブ塩酸塩水和物のみ]
(4)本剤投与後にQT間隔延長が認められており,心タンポナーデによる死亡も報告されているので,状態を十分に観察することが必要です。

基本的注意

*スニチニブリンゴ酸塩(スーテント)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)特に慎重に服用すべき場合(原則禁忌,処方医と連絡を絶やさないこと)……QT間隔延長またはその前歴
(3)慎重に服用すべき場合……骨髄抑制のある人/高血圧/心疾患・脳血管障害・肺塞栓症またはその前歴/脳転移/甲状腺機能障害/重い肝機能障害/イマチニブに忍容性のない消化管間質腫瘍
(4)飲食物……セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は本剤の血中濃度を低下させ,グレープフルーツジュースは血中濃度を上昇させることがあるので,服用中は避けてください。
(5)定期検査……骨髄抑制,高血圧,腫瘍変性・縮小に伴う出血,肝機能異常などがおこることがあるので,定期的な血圧測定,血液や肝機能などの検査が必要です。
(6)顎骨壊死……本剤の服用後に顎骨壊死が発現したとの報告があり,その多くはビスホスフォネート系製剤ビスホスフォネート製剤を使用中あるいは使用経験がある人でした。また,本剤を含む血管新生阻害薬とビスホスフォネート系製剤を併用すると,顎骨壊死の発現が増加する可能性があると報告されています。
(7)危険作業に注意……本剤を服用すると,めまい,傾眠,意識消失などをおこすことがあります。服用中は,高所作業や自動車の運転など危険を伴う機械の操作は十分に注意してください。
(8)その他……
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳を中止。
・小児での安全性:未確立。「薬の知識」共通事項のみかた

副作用の注意
重大な副作用

(1)骨髄抑制(汎血球・白血球・血小板・好中球減少,貧血など)。(2)重い感染症(肺炎,敗血症,壊死性筋膜炎など)。(3)高血圧。(4)鼻出血,皮下出血,口腔内出血,性器出血,喀血,結膜出血,腫瘍出血,消化管出血,脳出血。(5)消化管穿孔(せんこう)。(6)QT延長,心室性不整脈,心不全,左室駆出率低下。(7)肺塞栓症,深部静脈血栓症。(8)てんかん様発作,可逆性後白質脳症症候群。(9)急性膵炎。(10)甲状腺機能障害。(11)間質性肺炎(息切れ,発熱,呼吸困難,せきなど)。(12)急性腎不全,ネフローゼ症候群。(13)横紋筋(おうもんきん)融解症,ミオパシー。(14)副腎機能障害。(15)一過性脳虚血発作,脳梗塞。(16)血栓性微小血管症。(17)播種性血管内凝固症候群(DIC)。(18)肝不全,肝機能障害,黄疸。(19)腫瘍崩壊症候群。(20)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),多形紅斑。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

スーテント - PC

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