タイケルブの効能・用量・副作用など

タイケルブの基本情報

タンパク質を構成するアミノ酸のうち,水酸基(OH)をもつアミノ酸にはセリン,プロリン,チロシンの3種類あります。チロシンキナーゼは,選択的にチロシンの水酸基をリン酸化する酵素です。
ヒト上皮増殖因子受容体(HER)は,細胞増殖のシグナル伝達系を活性化します。4種類あるヒト上皮増殖因子受容体のうち,上皮増殖因子受容体(EGFR)およびヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)の過剰発現は,予後の不良および生存期間の短縮に関係していると考えられています。本剤は,EGFRおよびHER2のチロシン自己リン酸化を選択的かつ可逆的に阻害することにより,腫瘍細胞の増殖を抑制すると考えられています。
なお本剤は,カペシタビンカペシタビンほかとの併用療法において承認されています。カペシタビンは腫瘍組織中で5-フルオロウラシル(5-FU)に変換され,チミジル酸合成を抑制することで抗腫瘍作用を示し,本剤との併用により相乗効果が期待されます。

処方薬/市販薬 処方薬/先発品
分類 分子標的治療薬>ラパチニブトシル酸塩水和物>ラパチニブトシル酸塩水和物
形状 錠剤
製造販売会社 グラクソ
保険薬価 錠剤250mg 1錠 1,667.00円

タイケルブの効果・効能

HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)の過剰発現が確認された手術不能または再発乳がん→本剤は,アントラサイクリン系アントラサイクリン系抗生物質,タキサン系イチイ由来抗腫瘍薬の抗がん薬,およびトラスツズマブHER2陽性がん治療薬による治療後に増悪もしくは再発した人が対象

タイケルブの使用上の注意と副作用

警告

(1)本剤を含むがん化学療法は,緊急時に十分対応できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識・経験をもつ医師のもとで,適切と判断された人についてのみ実施されるべき療法です。また,医師よりその有効性・危険性の十分な説明を受け,患者本人(もしくは家族)が納得・同意できなければ治療に入っていくべきではありません。
(2)重い肝機能障害が現れることがあり,死亡に至った例も報告されているので,本剤の服用開始前や服用中は定期的に肝機能検査を受ける必要があります。
(3)間質性肺炎,肺臓炎などの間質性肺疾患がおこることがあり,死亡に至った例も報告されています。

基本的注意

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)慎重に服用すべき場合……肝機能障害/間質性肺疾患(放射線性肺臓炎を含む)またはその前歴/心不全症状またはその前歴/左室駆出率が低下している人,コントロール不能な不整脈,重い心臓弁膜症/高齢者
(3)定期検査など……(1)「警告」にあるように重い肝機能障害が現れることがあるので,本剤の服用開始前・服用中は定期的に肝機能検査を受ける必要があります。(2)心不全などの重い心障害が現れることがあるので,本剤の服用開始前には必ず心機能検査を受けてください。また,服用中は適宜,心機能検査(心エコーなど)を受けてください。(3)QT間隔延長がおこることがあるので,服用開始前・服用中は適宜,心電図検査を受けてください。
(4)服用方法……カペシタビンとの併用において,1日 1回,食事の 1時間以上前または食後 1時間以降に服用します。1回の服用量を1日2回に分割服用しないでください。
(5)飲食物……セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は本剤の血中濃度を低下させて作用を弱め,グレープフルーツジュースは血中濃度を上昇させて作用を強めることがあるので,服用中は避けてください。
(6)その他……
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳を中止。
・小児での安全性:未確立。「薬の知識」共通事項のみかた

副作用の注意
重大な副作用

(1)重い肝機能障害。(2)息切れ,呼吸困難,せき,発熱などを初期症状とする間質性肺疾患(間質性肺炎,肺臓炎など)。(3)重い心障害(左室駆出率低下,心不全など)。(4)下痢による脱水症状。(5)QT間隔延長。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

タイケルブ - PC

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