病院の薬の成分を市販薬に転用したのがスイッチOTC薬

これまでは医師の判断でしか使用できなかった医薬品を、薬局で買えるようにしたのがスイッチOTC薬です。スイッチOTC薬の登場で、セルフ・メディケーションの幅が広がっています。
 OTCとは「Over The Counter」の略で、街の薬局のカウンター越しに売られる薬、つまり市販薬のことを指します。以前は医療薬であったものが、市販薬として薬局でも買えるように販売が許可されたものを、医療薬から市販薬(OTC)にスイッチされたということから「スイッチOTC」といいます。

病気の予防に役立たせることも…

 スイッチOTC薬は、医療薬でのみ使用が認められている成分のなかで、使用実績があり、比較的副作用が少なく、安全性の高い成分を市販薬にも配合したものです。今まで一般の市販薬は、効き目よりも安全性が重視されていると思われがちでしたが、スイッチOTC薬の登場で、効き目の良い薬が薬局でも手に入るようになりました。その他、試験紙や禁煙補助剤のようなものもスイッチされたことから、市販薬は軽い症状を改善するだけではなく、病気の予防や生活の質の向上など、幅広い役目を果たすことが期待されるようになったのです。

スイッチOTC薬は種類も数も増えてきています

 スイッチOTC薬には、かぜ薬や胃腸薬などに限らず、水虫の薬や禁煙補助剤など、さまざまな種類の薬があります。よく耳にする胃腸薬の「H2ブロッカー」や、湿布など外用剤として筋肉痛・関節痛薬などに用いられている「インドメタシン」、かぜ薬にも配合されている解熱鎮痛剤成分の「イブプロフェン」などは、スイッチOTC薬の効き目の本体となる配合成分です。販売されている薬に「スイッチOTC薬」と明記されているわけではないので、ちょっと見ただけではわかりません。スイッチOTC薬は、今後もさらに増えていくことが予想されていて、セルフ・メディケーションの幅はますます広がりをみせています。

スイッチOTC薬を正しく使いこなすには

 スイッチOTC薬は、その薬に含まれる成分の種類や濃度によって、スイッチされてしばらくの間は、薬剤師のいる薬局などでしか買うことのできない指定薬となります。ちょっと体調が悪いときに自分で治すことのできるセルフ・メディケーションに便利な一方、正しく使用しないと副作用などが起こることもあります。他の薬との飲み合わせの問題や、使ってはいけない症状などもあるため、必ず薬剤師に相談してから使用するようにしましょう。そして定められた用量、服用時間等の使用上の注意を守って、正しく服用するようにしましょう。

薬局・薬店と賢くつきあうためには

 市販薬の多くはいくつかの成分が配合されています。たとえば総合感冒薬と呼ばれるかぜ薬には、かぜの症状に総合的に効くように、解熱鎮痛剤、せき止め、鼻炎などに用いられる抗ヒスタミン剤など、さまざまな成分が含まれています。そのため、体質や症状に合わせて選ばないと思わぬ副作用が起こることもあります。薬を選ぶときは薬剤師に相談して選んでもらうことが原則です。そのとき、症状だけでなく過去の副作用の経験や現在服用している薬、アレルギーの有無なども伝えるようにします。できればいつも行く「かかりつけ薬局」を持ち、適切なアドバイスを受け、薬の飲み合わせをチェックしてもらうようにしましょう。