ゲシュタルト療法 Gestalt Therapy

精神分析家であったフレデリック・S・パールズ(1893〜1970)が、精神分析とゲシュタルト心理学との融合を試み発展させた心理療法として、日本でも有名な心理療法です。 基となっているゲシュタルト心理学とは、「全体性」を重視する心理学派が主張した心理学で、「図と地」の図形理論などで有名です。人間の認知とは、ある一つの物事を意識化するとそれが「図」となって浮かび上がり、それ以外の面は全て「地」(背景)となる、という理論がゲシュタルト心理学の主要理論です。
 このゲシュタルト心理学を心理療法に取り入れたパールズは、「普段意識していない部分を意識化する(地を図にする)」ことを重視しました。

  普段意識していない部分は、思っている以上にたくさんあります。例えば誰かとおしゃべりをしている時、話の内容は意識にのぼっていますが、自分の姿勢や身体の動きは意識されていないことが多いのです。熱心に相槌を打っていても、首から下は相手の方を向いていなかったり、貧乏ゆすりをしている場合もあります。パールズはこういった無意識の動きに焦点を当て、これまで背景となっていたものを図として浮かび上がらせることによって、その人の“あるがままの姿”を表現することを促しました。

 パールズは、“思考すること”よりも“感情体験すること”を目指し、「今、ここ」の体験を重視しました。そのため、ゲシュタルト療法では数多くのワーク(体験学習)を行います。主なワークは次の通りです。

1.ホットシート:グループメンバーから自分の長所、短所を指摘してもらう
2.未完の行為の完結:過去に思い残したことを今ここで行う
3.句の繰り返し:感情を語った言葉を大声で何度も繰り返す
4.言葉にジェスチャーを合わせる:感情を語った言葉に相応しいジェスチャーをとる
5.反対のことを言う:語った言葉とは正反対のことを言ってみる
6.ジェスチャーを言葉に合わせる:今とっているジェスチャーに相応しい言葉を言ってみる
7.身体表現を誇張する:今とっているジェスチャーを大きくしてみる
8.トップ&アンダードッグ:「ねばならない自分」と「〜したい自分」で対話する

 ワークはグループで行う方が効果的であるものも多く、ワークショップを行うこともあります。
 今、ここでの自分自身の姿に気づき、あるがままの自分に正直になると、自由になります。固定化して見ていた現実を再構成し、新たな現実がクリアになった時、これまでのこだわりや縛りが解消するとされています。

健康用語(メンタルヘルス編)

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