心理学用語「ツァイガルニク効果」Zeigarnik effect
ドイツのゲシュタルト心理学者であるクルト・レヴィンは、人間の記憶について、「達成された課題よりも、達成されなかった課題や中断している課題の方が記憶に残りやすい」と考えました。
このレヴィンの考えに基づいて、ソビエト連邦の心理学者であったツァイガルニクが実験を行い、実証したことによって、「未完の課題についての記憶は、完了した課題についての記憶より想起されやすい」という現象のことを“ツァイガルニク効果”と呼ぶようになりました。
何かを達成しなくてはいけないという課題場面において、人は緊張状態となります。この緊張は課題が達成されると解消され、課題自体を忘れていきます。例えば、試験勉強などで頭にたたきこんだ知識を、試験が終わるときれいさっぱり忘れてしまった・・・という経験はないでしょうか。人はこうやって達成した課題を忘却し、また新たな課題に取り組んでいくわけですが、途中で課題が中断されたり、課題を達成できなかったりすると、緊張状態が持続してしまうことになります。この緊張状態の持続のために、未完の課題は記憶に強く残ることになるのです。
つまり、“うまくいったことよりうまくいかなかったことの方がよく覚えている”ということです。
成就した過去の恋愛よりも、片思いで終わってしまった相手の方が何年経っても忘れられなかったり、運動会で1等賞をとったことよりも、リレーで転んでしまってみんなに抜かされてしまったことの方がよく覚えていたり、成功体験よりも失敗体験を記憶していることが多いのではないでしょうか。
逆に考えると、“うまくいかない”ことを繰り返すことによって、強く記憶に残すことができると考えることもできます。一度でうまくできてしまうとあっさりと忘れてしまうことも、何度か失敗することで後々まで覚えていることができるのです。強く記憶に残すことができれば、似たような課題にぶつかった時に、すぐに解決方法を思いつく可能性があります。
過去を振り返って「失敗ばかりだ」と感じられてしまう時は、このツァイガルニク現象が起こっている可能性があります。うっすらとした記憶をたどると、強い失敗体験の記憶に隠された成功体験が浮かび上がってくるかもしれません。
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