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ふと鏡をのぞいたときに「最近お肌がくすんできた」と感じることはありませんか? 年齢とともにお肌の新陳代謝が遅くなり、古い角質が剥がれ落ちるまでのターンオーバー期間が少しずつ長くなっていくことがくすみの原因です。年齢対策化粧品や高機能サプリメントをあれこれと試している方も少なくないと思いますが、『死ぬまで健康でいられる5つの習慣』の著者である脳神経外科医の菅原道仁先生は「美肌のためには血流をよくすることが大切」だと言います。

40歳のお肌は40日前のもの!

私たちのお肌は大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層構造になっています。一番外側の表皮にある「胚芽細胞」が盛んに分裂して生まれ変わっていると、お肌の表面がツヤツヤと若々しくなります。また、真皮と皮下組織にある「繊維芽細胞」の分裂が活発だと、お肌の内側が元気になって、ハリと弾力が出てきます。つまり、ツヤ・ハリ・弾力と三拍子そろったお肌を手に入れるには、胚芽細胞と繊維芽細胞が活発に働ける環境を整えることが大切というわけです。

「胚芽細胞や繊維芽細胞に酸素や栄養分を届けてくれるのは真皮の表と裏に張り巡らされた毛細血管ですから、美肌のためには血流をよくすることがとても大切です。たとえば風邪で体調が悪いときは肌のコンディションもよくありませんよね。これは喉などの炎症を治すために、炎症箇所に多くの血液を届ける分、肌にまわる血流量が減ってしまうことが原因です」

表皮のなかでも一番外側にあるのが角質です。角質は胚芽細胞が分裂して古くなったタンパク質ですから、血流がよくなって細胞の活動が盛んになれば、角質のもとがどんどん作られて、ターンオーバーがスムースに進むようになります。20歳ころのターンオーバー周期は28日ですが、40歳を超えるとなんと40日に延びます。血流が悪くなれば、この期間がさらに長くなる可能性があります。体調管理に気を配るのはもちろんのこと、冷えや寝不足、喫煙習慣といった血流を悪くする原因を取り除き、お肌の生まれ変わりを助けてあげましょう。

美肌生活が将来の健康につながる

血流の改善には食生活の見直しも欠かせません。仕事で忙しいとき、つい手軽なカップ麺や菓子パンで食事を済ませてはいませんか。ただでさえ疲労や寝不足で血流が悪くなっているところに、栄養バランスの偏った食事が合わされば、肌に良いはずがありません。

「高価な化粧品で表面から働きかけるのも悪くはありませんが、それよりも食生活や生活習慣を見直して血流を良くする方が有効です。身体は食べたものから作られますから、もっと食べることに気を配ってほしいと思っています。おすすめの食材はオメガ3系脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)が豊富な青魚。クルミやココナツオイルなどもいいですね。いわゆる血液サラサラ効果が期待でき、血流がよくなります」

EPA以外では、納豆や胚芽米、タマゴなどに多くくまれる含まれるビタミンB群、レバーやうなぎに多く含まれるビタミンA、ニンジンやパセリに多く含まれるβカロチンなどが、お肌作りに必要な栄養素です。不足しがちな栄養素はサプリメントで補うのも良いでしょう。

「ストレスも美肌の大敵です。人間はストレスを受けると、副腎皮質ホルモンを盛んに分泌するようになります。副腎皮質ホルモンは電解質のバランスや糖代謝、脂質代謝などにかかわる生命の維持にかかせない存在ですが、過剰に分泌されると血中コレステロール濃度や血糖値が上昇し、血液の濃度が高くなり、血流が悪くなってしまいます。これは肌に悪いだけでなく、脳血管疾患につながる動脈硬化のリスクも増します」

数十年先の動脈硬化を予防するために日々の行動を変えるのはなかなか出来ないものですが、美肌のためであれば良い習慣を身につけやすいはず。身体の内側から輝くお肌と将来の健康のために、出来るところから生活習慣を見直してみませんか?