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最近、よく聞くようになった「筋膜リリース」。その歴史は意外と古いということを知らない方も多いのでは? 
「筋膜は姿勢を形作っている器官である」ということをいち早く唱え、筋膜に対する総合的なアプローチ方法を開発したのは、1940年代のアメリカ生化学者アイダP.ロルフ博士でした。今回は、そのロルフメソッド施術者である日本橋SIセンターの大塚豊さんに、多くの女性の悩みである肩こりと筋膜の関係、そしてその改善方法を伺いました。

人間が重力に引っ張られて倒れないのは「筋膜」のおかげ

そもそも筋膜とは何でしょうか。
筋膜とは、筋肉を包んでいる膜状の組織です。筋肉は体中にあるので、筋膜は網の目のように体に張り巡らされていることになります。
本来筋膜は流動性をもった柔らかい物質なのですが、環境に適応するため状況に応じて分厚くなったり固くなったりといった変化を起こします。これが「筋肉がコル」という状態を作り出すのですが、これは人間が地球上の重力の中で存在していることが原因です。
人間は、機械や建物のように重力に引っ張られて倒れてしまうことはありません。それは、筋膜が重力の中で身体のバランスをとろうと、あちこち固めたり引っ張ったりして頑張っているからなのです。

部分的なマッサージでは肩コリはラクにならない

デスクワークが長い人ほど肩コリに悩むのも、筋膜が関係しています。
人間の頭の重さは、成人で約5kgと言われています。立っている時は全身で頭を支えられるのですが、椅子に座った状態では、首や肩、背中や腰など、さまざまな部分の筋膜を縮め固めることで、重い頭を支えようとします。その状態でキーボードを打つ作業をすると、腕の緊張が肩や首へ繋がり、さらに筋肉に負担がかかるため、肩もコリやすくなるのです。

このような姿勢が定着してしまうと、部分的なマッサージで一時コリが解消されても、また同じ症状が繰り返されてしまいます。そこで効果的なのが、習慣化してしまった身体のバランスを変える、「筋膜リリース」です。

筋膜を解放して、体のバランスを整える

もちろん指圧や針、マッサージも筋膜を緩めるのに効果的です。ただ注意してほしいのは、強すぎる刺激や急激なスピードに対して筋膜は固まってしまうということ。
筋膜は、ゆっくりとした動きに反応します。そこで、大塚さんに肩コリに効く、おすすめストレッチを紹介してもらいました。

まず、肩幅に足を広げたら軽く膝を曲げ、全身の力を抜いてゆっくり前屈をしていきます。スピードは、1秒に1cm進むくらいでOK。この時、自分の体で緊張している部分を意識して力を抜いてあげましょう。手が床についたら、今度はゆっくり体を起こしてきます。
このように、普段重力に逆らっていた筋膜を重力にまかせることで、ゆるむべきところがゆるみ、筋膜にたまった緊張が解放されるのだとか。回数は特に決まっていないので、自分が「心地いい」と感じるまで、続けてみてください。

地球の重力の中で、身体のバランスをとるために頑張っている筋膜たち。肩もコルはずですよね。冬の寒さで縮こまり、重いコートでますます肩に負担がかかるこれからの時季、時々は意識して筋膜を解放(リリース)してあげましょう!