韓国には「食べ物は薬である」という言葉があります。「毎日の食こそが体には重要」という考え方です。これは韓国料理の基本にある「薬食同源」、「医食同源」の世界にもつながり、昔から韓国人の中に深く根付いています。韓国料理というと肉がクローズアップされがちですが、今回は、カラダに優しく美肌になれる韓国料理をご紹介します。

美肌のヒミツは韓国料理にあり!

実は私、初めて韓国を訪れて以来10年以上が経ちます。最初の頃は訪れるたび、ツヤツヤの肌のコリアン・ビューティが多いことに感動していました。私自身も韓国に2~3週間滞在して帰って来ると、「肌がきれいになったね~」と母や友人たちによく言われました。

「取材中は慢性的に睡眠不足で、肌には最悪なのに、なぜ美肌に?」といつも思っていたのですが、そのうちに、毎日毎日、朝、昼、晩と韓国料理を食べていたからだと気づきました。中国やヨーロッパの取材だと2週間も行けば、にきびができ、太って帰ってくるのに、韓国取材だけはどんなに食べても太らないことも不思議で、これは韓国料理のおかげとしか思えませんでした。

美肌に効く伝統食「参鶏湯」と「キムチ」

美肌も「食」からと言われると、なるほど韓国には、そういった伝統食がたくさんあります。その代表格が発酵食品のキムチ。新陳代謝を高め、細胞を活性化させる働きがある韓国の代表的な健康食です。

もう一つの伝統食は「参鶏湯(サムゲタン)」です。ひな鳥の中にもち米、高麗人参、棗(ナツメ)、栗、銀杏、ニンニク、生姜、甘草などの韓方薬材を入れて、長時間煮込む伝統料理ですが、最近は、美肌になれると日本人女性にも人気があります。コラーゲンがたっぷり入っていますので、翌朝はお肌がプリプリ。じっくり煮込んでありますので、白濁したスープはあっさり味なのに、滋養満点。韓国人は、夏の前にこの「参鶏湯」を食べてスタミナをつけるのが伝統です。実際、参鶏湯を年に数回食べれば健康でいられると言います。

同じコラーゲンたっぷりの韓国料理に「豚足(チョッパル)」がありますが、こちらも豚足専門店が若い女性でいっぱいになるほどブームになったことがありました。美肌に効く料理と聞けば、なんとしても食べたいという女心。コスメや美容皮膚科通いなどでも、美しさを追求する韓国女子たちですが、外面だけキレイにしていても、肌はキレイにはならないという考え方が徹底して浸透しているところが、日本とは違う点です。

韓国では「参鶏湯」は暑気払いにあたる夏至の頃に食べる伝統食

韓国では「参鶏湯」は暑気払いにあたる夏至の頃に食べる伝統食

タン(湯)と呼ばれるスープは食べる美容液

韓国の食文化の特徴の一つに「タン(湯)」と呼ばれる汁物(スープ)文化があります。韓国人は焼肉を毎日食べているようなイメージを持つ人も多いのですが、実際は、肉と同じくらい野菜をたくさん食べますし、スープ料理もバラエティ豊かです。

スープは「食べる薬」、「食べる美容液」とも言われ、先に紹介した「参鶏湯」もその一つ。美肌のためには、牛テールとすね肉、腸などの部分を長時間煮込んだ「コムタン」や、牛の内臓や骨や頭などのバラ肉を長時間煮込んだ「ソルロンタン」が良いと言われています。

そのほか、ドジョウを水から煮て骨ごとつぶしたスープ「チュオタン」は、女性の骨粗鬆症や夏バテ予防にお薦めですし、干しスケソウダラのスープ「プゴックッ」は、韓国では二日酔いの特効薬として有名です。

これからは、韓国のスープ料理にも目を向けて、カラダの内側からキレイになってください。

コラーゲンやカルシウムがたっぷりのスープ料理「ソルロンタン」

コラーゲンやカルシウムがたっぷりのスープ料理「ソルロンタン」

※写真:韓国観光公社

(文・木谷朋子)