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下腹部には大腸や小腸、膀胱、女性の場合は子宮、卵巣と、たくさんの臓器が詰まっています。下腹部の痛みを引き起こす病気は、婦人科系、消化器系、腎臓系、泌尿器科系などですが、たとえ同じ病気でも人によって、痛み方や痛む時間、痛む位置などがさまざま。つまり、「この痛みだからこの病気」と単純に言えないのです。
女性の場合はまず婦人科を訪れましょう。婦人科で検査をして問題がないのに痛みが続く場合は、内科や消化器科を紹介されるはずです。
ただしお腹がカチカチに硬くなったり、吐き気や発熱を伴う場合は「腹膜刺激症状」という大変危険な状態である可能性が。一刻も早く内科か消化器科を受診しましょう。

下腹部が痛くなる、消化器科系のおもな病気

下腹部痛で消化器科を訪れる患者さんのほとんどは、腸か腎臓が原因です。中には便秘の方もいますが、下腹部痛には重大な病気が隠れていることも。中には自覚症状がないまま病気が進行している場合もあります。下記に、下腹部痛を引き起こす主な病気と、自覚症状を解説します。

●腸閉塞
【下腹痛以外のおもな自覚症状】
便意はあるのに便意が出ない、最近あまり食欲がない、お腹が張って下腹がふくらんできたなど
【こんな病気】
小腸や大腸の腸管が何らかの原因でふさがり、消化液が通らなくなる病気。腸の内容物が停滞するため腹部が激しく張り、急激な腹痛や嘔吐などに襲われます。過去に腹部の手術をした人の場合には、腸どうしや腸と腸壁が癒着することによっておこることが多いといわれています。その他、食べ過ぎ、飲み過ぎ、疲労、ストレスなどが誘因となる場合もあるといわれています。下腹の痛みは激しく、発熱や吐き気を伴うこともあります。

●大腸憩室炎
【下腹痛以外のおもな自覚症状】
血便がある、原因不明の発熱があるなど
【こんな病気】
「憩室」とは大腸の壁の一部が外へ飛び出し、ふくらみができている状態。憩室は大腸のどの部位にも起こりますが、大腸の最後の部分にあたる「S字結腸」、右下腹部の盲腸から上の部分にある「上行結腸」に最も多く起こります。症状の出ない場合も多いのですが、下腹部痛に血便や発熱などを伴う場合は要注意です。

●腸の慢性炎症
【下腹痛以外のおもな自覚症状】
体重が減ってきた、貧血がひどい、原因不明の発熱があるなど
【こんな病気】
腸の慢性炎症には、大腸の粘膜に炎症が起こり、びらんや腫瘍ができる「潰瘍性大腸炎」と、「クローン病」があります。いずれも腹痛や下痢が続くのが特徴で、難病に指定されています。

●過敏性腸症候群
【下腹痛以外のおもな自覚症状】
ストレスを強く感じている、食欲がない、お腹が常に張っているなど
【こんな病気】
自律神経の働きが乱れ、腸がけいれんを起こして便秘と下痢を繰り返す病気。ストレスが原因で起こるので、検査をしても胃腸になんの異常も見つからないのが特徴です。おならや頭痛、食欲などの症状を伴うこともあります。

●便秘
【下腹痛以外のおもな自覚症状】
いつも残便感がありすっきりしない、便秘薬を使わないと便が出ない、肌あれがひどいなど
【こんな病気】
便秘が原因でも下腹部に激しい痛みが起こることがあります。特にだんだんひどくなる便秘の場合は、他の病気が隠れていることがあるので十分な注意が必要です。また便秘の原因の多くはストレスや食生活なので、まずは生活習慣から見直しましょう。

●尿管結石
【下腹痛以外のおもな自覚症状】
背中からわき腹にかけて痛む、吐き気がある、血尿が出るなど
【こんな病気】
結石とはカルシウムや尿の成分などが固形化して大きくなったもの。その結石が尿管に入り込むと、尿が腎臓から出られなくなるために激しい痛みが起こります。