腸内細菌が良好であることが健康には不可欠。
肥満や糖尿病、がんなどになりやすい体質にも腸内細菌が関連しています。便やおならが臭い人は腸内が腐敗している証拠かも。

腸内フローラを育てて腸美人に

ヒトの腸内には1000種類以上、100兆個以上の腸内細菌が

私たちの腸内には、腸内フローラ(=お花畑)と呼ばれる腸内細菌のコロニー(集合体)があります。最近ではこの腸内フローラの状態が良好であることが、健康にも美にも不可欠であることがわかってきました。

ヒトの腸内には1000種類以上、100兆個以上の腸内細菌が生きています。その中には「善玉菌」「悪玉菌」そしてそのどちらでもない「日和見菌」がいます。善玉菌とは、食べ物を分解・発酵して人に必要な栄養素やエネルギーに変えてくれる、私たちにとってよい働きをする菌。悪玉菌は、食べ物を腐敗させて有害物質に変え、私たちに悪影響を及ぼす菌です。

肥満や糖尿病、がんなどになりやすい体質などにも腸内細菌が関連

最近の研究では、見た目の老化や更年期障害、肥満や糖尿病、がんなどになりやすい体質も、腸内細菌が関連していることがわかっています。肥満の人の腸内では、普通の人にとってはノンカロリーでエネルギーにならない食物繊維さえも、ある種の腸内細菌が分解してエネルギーにしてしまうというのです。日本人の約3割は、この腸内フローラを持っているといわれています。

一人ひとりの腸内フローラの種類は、乳離れする時期までにほぼ決まってしまいます。お母さんの持つ腸内細菌、食事内容、衛生環境、抗生物質を投与されたかどうかなどの違いがおもな要因です。

便やおならが臭い人の腸内フローラは悪玉菌が優位

ただし、せっかくいい腸内フローラを持っていても、現代人を取り巻く食文化・社会・自然環境の影響によって、私たちの腸内環境は悪玉菌が繁殖しやすくなっています。悪玉菌を増やし、腸内環境を悪化させるのは、動物性食品や砂糖の摂り過ぎ、必須栄養素や食物繊維、酵素、発酵食品の不足。添加物・化学物質・重金属・さまざまな汚染物質の摂取です。

悪玉菌が多いかどうかの見分け方は簡単です。便やおならが臭い人は、悪玉菌が繁殖している証拠。食べ物の中のタンパク質を悪玉菌が腐敗させてできたアンモニアやアミン、インドールなどの有害物質が、このにおいの原因です。これらの有害物質は血液を通って全身に回り、細胞を傷つけて老化させ、がんなどの原因にもなるといわれています。汗からもにおいが出るので、汗が臭い人も悪玉菌が優位になっている可能性があります。

食べ方しだいで「いい腸内フローラ」は育てられる

悪玉菌が優位になった腸内フローラも、日々の食事で善玉菌が多い「いい腸内フローラ」に変化させることができます。
「いい腸内フローラ」を育てる食事のポイントは以下の通りです。

●砂糖を極力使わず、善玉菌を育てるエサになるオリゴ糖を摂ること。
●たっぷり野菜や適量のフルーツ、未精製の黒い穀物などから食物繊維をしっかり摂ること。
●動物性食品を摂り過ぎない。摂るなら消化を助ける酵素が豊富な生の野菜やフルーツを食べること。
●ビフィズス菌や乳酸菌を発酵食品などから毎日摂ること。
●ビタミンやミネラルをしっかり摂ること。
●時々プチ断食や本格的な断食で、腸内をきれいにお掃除すること。コールドプレスジュース併用が効果的。

ヒトを植物に例えるなら、腸内フローラは土壌と同じ。植物は土壌によって、元気にも病気にもなります。土壌がやせていては元気にはなりませんし、肥料が過剰であっても良い実はつきません。ましては土壌が腐敗していたら、植物も腐ります。土を肥やす有用な微生物が暮らす土壌に根を広げた植物は、すくすくと元気に成長することができます。
いい土壌が丈夫な植物を育てるように、いい腸内環境が美しく健康な人を育てるのです。

【参考】
『「美女のステージ」に立ち続けたければ、その思い込みを捨てなさい』(光文社)