正しく対処しないと疲労は蓄積する一方。疲れが蓄積すると自律神経の働きが乱れ、生活習慣病や老化の促進にも。思い込みではなく科学的な対処法を。

【科学が証明】正しい疲労回復法-疲労がたまると老化が進む

疲労と老化の原因は同じ。こまめに解消を

暑い日が続くと、ふつうに生活しているだけで疲れてしまうと感じる人も多いのではないでしょうか。「疲れた」と口にする機会も増えますが、「疲れ」の正体について正しく知っている人は少ないと言うのは、疲労の専門家である梶本修身先生です。
「疲労は、老化と同じく活性酸素が原因。筋肉や脳、内臓などの活動で発生した活性酸素が、機能を低下させた状態です。それを解消すれば『疲労』ですが、疲労が蓄積してもとに戻らなくなると『老化』になります」

つまり、疲労を解消しないで放っておくと、老化がどんどん進むということ。また、疲労が蓄積すると、自律神経の働きが乱れ、心と体にさまざまな不調を引き起こし、生活習慣病をはじめ、様々な病気につながることもあります。
「人間は動物と違って脳の前頭葉が発達しているため、意欲ややる気が疲れをマスキングしてしまい、疲れに気づかないこともあります。『飽きた』『やる気が出ない』というのも、疲れているので休めという体からのサイン。敏感にキャッチして休むことが大切です」

疲労感がまぎらわされても疲労は解消しないことも

疲労の解消方法には、休息や睡眠、軽い運動などが有効で、食事でも解消できます。ただし、疲労解消法として知られているものの中には、「疲労感」は解消しても根本的な「疲労」は解消してくれないものも多いのだとか。
「例えば、疲れた時に手が伸びる栄養ドリンクは、飲んでも一時的に疲労感が消えるだけで、疲労は解消できません。スタミナをつけようと思って食べる焼肉も、胃や肝臓などで活性酸素が増えるため、かえって内臓が疲れてしまいます」(梶本先生)

やってはいけない疲労回復法

そのほかにも、「疲れたときは甘いものを食べる」のは、疲れることによるイライラは、血糖値が上がることによって抑えられるものの、上がった血糖値が急激に下がると気分が落ち込むので×。また、「お酒を飲んで楽しく疲労回復する」のは、疲労感をごまかしているだけで肝臓や脳の細胞にダメージを与え、かえって疲れてしまいます。
「疲れていても週末には予定を入れてリフレッシュする」のもNGです。理由は、「眠っている時しか疲労回復物質が出ないから。『好きなことは疲れない』はウソです。疲れの自覚があるなら、週末はゴロゴロしている方がよいでしょう」(梶本先生)。

科学的に効果がある疲労回復法とは

では、科学が証明した本当に効果がある疲労回復法とはどんなものでしょうか。
「疲労回復の王道は睡眠です。睡眠中は疲労回復物質が働いて細胞を修復し、疲労を回復することがわかっています。疲れの自覚があるなら、休日は1日横になったまま過ごしているというのでもOK。また、午後、眠くなったら20分以内の昼寝をするのも疲労回復には効果があります」(梶本先生)
ただし平日の疲れを週末の「寝だめ」でとることはできません。疲れをとりたいなら、どんなに長く寝ても平日プラス2時間までを目安にしましょう。

監修 梶本修身先生
医学博士。大阪市立大学大学院 医学研究科疲労医学講座特任教授。「疲労定量化及び抗疲労食薬プロジェクト」の責任者を務めるなど疲労研究の第一人者として活躍。