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フランス下院が先日可決した法案は、驚きの内容でした。BMI値が極端に低いやせすぎのファッションモデルの活動を禁止したのです。また、やせすぎモデルを雇用した業者にも最大で7万5000ユーロ(約980万円)の罰金、最大6カ月の禁固刑を科す内容でした。

やせすぎは世界的な社会問題

やせたモデルがファッションショーでランウェイを闊歩する時期が長く続いていました。ファッションアイコンとして、そのスリムさがもてはやされていたのです。しかし、やせていることが美しいという文化的背景により、摂食障害を発症してしまうことが世界的な社会問題となっています。フランスでも3万~4万人が摂食障害を抱えており、そのうちの9割が若い女性とのこと。今回の法案は、摂食障害に対して真摯に向き合うという強いメッセージを打ち出すことも意図しているようです。

実は怖い摂食障害という病気

この摂食障害、死に至る可能性があるとても怖い病気なんです。心理的な原因で食べることに異常をきたす病気で、拒食症と過食症があります。体重が増えることを怖がり、やせていないと不安や罪悪感を感じ、極端な食事制限や、嘔吐・下剤を服用し痩せようとします。そして、本人に病気だという自覚がないため、まわりからの指摘を受け入れることができないのです。過食症は、逆に大量の食事を摂取し、過剰なカロリーを抑制することができません。

摂食障害

一般に慢性の経過をたどる場合が多く、症状は対人関係の問題や社会環境でのストレスに敏感に反応し、容易に再発することも知られています。米国の報告では、10年以上の経過で約60%が治る一方で、6〜7%が死亡するといわれています。日本における最近の報告でも同様の成績が報告されており、思春期・青年期女性の疾患としては最も重症な疾患のひとつです。

病気だと意識していない人も多く、治療を受けていない人が数多くいることが推定されています。摂食障害が疑われたら、精神科や心療内科で専門医を紹介してもらうとよいでしょう。病院に行きたがらない人も、何とか説得して連れて行くようにしてください。

摂食障害

アナ・カロリナ・レストンというブラジル人モデルが、摂食障害により2006年に亡くなったときは、大きな話題となりました。すでにイタリアやスペイン、イスラエルなどは、やせすぎモデルがファッションショーや広告に出演することが禁じられていますが、今回のフランスの動きで、少しでも摂食障害に苦しんでいる方が減ることを願うばかりです。