妊娠していると気付かずに、薬を服用してしまい、心配になる人も多くいます。妊娠中の薬の服用は慎重に行いたいものですが、実は多くの薬が心配のないもの。特に注意したい期間や、薬の種類をご紹介します。
妊娠が分かる前に飲んだ薬の影響は? 飲んでも大丈夫な薬はある?

妊娠4〜7週は特に注意 「絶対過敏期」

妊娠初期、自分の妊娠に気づかず薬を服用してしまう場合があります。薬の服用によって、「催奇(さいき)形性」(胎児に奇形性を引き起こすこと)が起こるのは、ほとんどがこの妊娠初期。心配する人も多くいますが、実は気をつけたい薬はそれほど多くないのです。また、通常約5パーセントは先天異常を持った赤ちゃんが出生し、その多くは原因不明で、薬のせいとは限らないのも事実。過剰な心配をして母体にストレスをかけることは避けた方がいいでしょう。

妊娠時期と薬の影響

●4週未満
自分が妊娠していると気付かない時期。4週未満は、胎児の器官は形成せれていないので、薬の影響はほとんどないと考えられます。また、薬剤投与の影響を受けた受精卵は、着床しない、流産、修復して着床する、のいずれか。妊娠前に飲んだ薬の影響はありません。ただ、体内の残留期間の長い薬の場合は極めて注意が必要です。

●4〜7週まで

この時期もまだ自分が妊娠しているかどうか気付かない人が多い時期。しかし胎児の体は形成されはじめており、最も薬の摂取に注意する必要があります。胎児が薬によって奇形を起こす可能性がある「絶対過敏期」です。

●8〜15週まで
胎児の重要な期間の形成は終わり、末端器官の形成が行われています。奇形を起こす可能性は低くなっていまが、その心配が完全になくなるわけではありません。

●16週から分娩まで

胎児が奇形を起こす可能性は低くなりますが、多くの薬は母体の胎盤を通して、胎児にも届きます。胎児への影響は、発育の妨げ、機能的発育への影響、子宮内胎児死亡、分娩直後の新生児の適応障害などがあります。

●授乳期
母親が薬を服用している場合、母乳を通して胎児に運ばれます。

薬を服用してもすぐに危険とは限らない

同じ目的で服用する薬の中でも、妊娠中には避けたい薬があります。たとえば鎮痛剤の場合、非ステロイド性抗炎症薬は赤ちゃんの動脈管の閉鎖を引き起こすため、飲んではいけないとされる一方、アセトアミノフェンは通常の量であれば安全に使用できるとされています。ただ、服用を避けたいといわれる薬を飲んだとしても、すぐに胎児に危険が及ぶとは限りません。

また、「妊娠=薬はNG」と誤った自己判断をして、常用している薬の服用を止める方が危険な場合もあります。例えば、慢性的な疾患があり薬の服用が必要な女性が妊娠した場合、その薬の催奇形性が報告されていたとしても、妊娠には病気を治療して母体を健康に保つことが必要です。医師と相談しながら、安全性の高い薬に切り替えたり、種類を減らしたりすることで対応が可能です。かかっている病気の専門医と産婦人科医の両方と相談しながら、対応しましょう。