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俳優の今井雅之さんが末期の大腸がんであることを発表しました。予定していた舞台『THE WINDS OF GOD』は降板し、現在は抗がん剤治療を行っているとのことです。

本来、大腸がんは進行の遅いがんで、早期に見つかればほぼ治すことができます。がん細胞が大腸の壁の外まで広がっているステージⅡという段階まで進行していても、5年生存率は80%以上と、ほかのがんに比べてとても高いのが特徴です。

ところが、近年、女性の大腸がん患者が増加していて、女性のがん死亡者数では大腸がんが第1位。この数字は、乳がんの2倍近く、子宮がんの3倍以上にあたるなど、女性にもよく知ってほしい病気です。

食生活の欧米化で大腸がんが増加

大腸は消化吸収が行われた食べ物の最終処理をする消化管で、主に水分を吸収します。長さは約1.8mで口側から肛門側に盲腸(もうちょう)、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に分けられます。この部位に悪性腫瘍が発生した場合に大腸がんと呼びます。
大腸がん<食道・胃・腸の病気>の症状と原因

大腸がんが増加した背景には、食事や生活習慣の欧米化が影響しているといわれています。また、大腸がんに特異的な遺伝子変異があることもわかっています。

早期には自覚症状がない

早期に発見できれば完治できる大腸がんですが、早期にはほとんど自覚症状がないのが問題。そこで、大事になってくるのが定期検診です。

無症状の時期にがんを発見するには、便の免疫学的な潜血反応を調べます。簡単に行えて体に負担のない検査ですが、陽性と出ても必ず大腸がんがあるわけではなく、逆に進行した大腸がんがあっても陰性になることもあります。
排便時の出血や便通異常がある場合には、血液検査で貧血がないかどうか、また腹部のX線検査でガスの分布の状態を調べます。腹部の触診では腫瘤(しゅりゅう)(こぶ)を触れることがあり、直腸がんでは肛門から指を入れて触るだけで診断できることもあります。
大腸がん<食道・胃・腸の病気>の症状と原因

定期検診で早期発見・早期治療

大腸がんの治療の原則は、がんを切除することです。大腸の壁は内腔側より粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜(しょうまく)となっています。がんが粘膜下層までにとどまっているものを早期がんといいますが、早期がんのなかでも粘膜下層の浅いところまでであれば転移の心配はなく、内視鏡での治療が可能です。
大腸がん<食道・胃・腸の病気>の症状と原因

大腸がんは進行が遅いので、毎年きちんと検査していれば、早期に発見することができます。ただし、集団検診で行われる便潜血反応検査では、早期のがんは見つけにくいのが現実。大腸がんリスクの高まる50歳くらいになったら、大腸内視鏡検査など、早期がんを見つけられる検査を受けることが大切です。

もちろん、便に血が混じっていたり、便の異常(残便感、便秘と下痢)、腹部のしこりなど、異常を感じたときには医療機関を受診してください。