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においのある汗・ない汗

夏の健康まめちしき
 
においのある汗・ない汗
 汗はべとべとするものと思い込んでいませんか?汗は、生活習慣や体質によってにおいや種類が異なるのです。生活習慣を改善して、においのないさらさらの汗をかける身体になりましょう!
 
 汗をかく場所

イメージ 私たちの身体は汗腺という場所から汗をかきます。この汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、汗腺の違いによって性質も異なり、汗も異なるものになるのです。


 エクリン腺は、全身に分布している小さな汗腺で、1平方センチメートルに100個以上存在します。この汗腺から出る汗は、さらさらしていてほとんどにおいはありません。

 一方、アポクリン腺はわきの下や生殖器など、からだの一部にだけある大きな汗腺で、粘り気のあるにおいの強い汗がでます。ですから、わきがの人などはこの汗腺が大きかったり数が多かったりするというわけです。


 現代人はにおいのある汗をかきやすい

 汗にはミネラル分が含まれているため、皮膚をアルカリ性にします。すると、皮膚の常在菌が繁殖してにおいが強くなります。
 エクリン腺からでる汗は、においのないさらさらの汗なのですが、エアコンに頼りすぎた生活を送ったり、運動不足やストレスなどによって汗腺の機能が鈍ると、エクリン腺から出る汗もべたべたしてきます。

 つまり現代人は、においのあるべとべとした汗をかきやすい生活習慣になっているのです。体臭を防ぎ、においのないさらさらの汗をかくためには、生活習慣からみなおすことが必要なのです。


 においのない汗をかくために日常で気をつけたいこと

イメージ 最近、においを気にして複数の制汗スプレーやデオドラント剤を入念に重ね塗りする「デオドラント依存症」の人がいるようです。しかしにおいを気にしすぎるあまり制汗剤を使いすぎてしまうと、汗腺を塞いでしまったり、皮膚の細菌をすべて殺してしまいかねません。するとより強力な細菌が繁殖し、ますます汗がべとべとし、においが強くなることもあるのです。

 においのない汗をかけるようになるためには、汗腺を活性化させる必要があります。ちょっと汗ばむ程度のウォーキングを毎日10分おこなったり、ぬるめのお風呂でしっかり汗をかくと、眠っていた汗腺が目覚めさらさらのにおいのない汗をかくことができるようになります。


汗をかいたときでも、たいていの人は、消臭作用のある植物抽出エキスなどを配合したウエットシートなどで身体を拭いておけば十分です。スプレータイプを使うときも、比較的マイルドな殺菌効果であるフェノールなどの成分が配合されたものを選びましょう。

どうしてもにおいの気になる人やワキガの人は、ロールオンタイプやクリームタイプのものを選びましょう。殺菌作用の強い塩酸べンザルコニウムや銀が配合されたものが良いでしょう。
においのもととなるべたべたした汗は、健康的な生活習慣と清潔を心がけることでにおいのないさらさらの汗になるのです。原因別の対策を紹介します。


イメージ◆ 肉食中心の食生活
 体臭のおもな原因は、皮脂腺や汗腺から出される油脂成分やそこに溶け込んだにおい物質です。肉などの脂質の多い食生活を続けていると、皮脂腺から分泌される油脂成分も多くなり、体臭が強くなってしまいます。野菜をたっぷり食べ、バランスのよい食生活を送るよう心がけましょう。


◆ タバコ
 タバコにはアセトアルデヒドやアンモニア、ニコチンといった約4000種類ものにおい物質が含まれています。これらは体内で分解されにくく、汗と一緒に出てにおいを放ちます。また、タバコの煙が髪の毛や衣服につくと、においの元となります。とにかくタバコのにおいが気になる人は、禁煙することです。衣服についたタバコのにおいは、においのつきにくくなる洗剤で洗っておくと良いでしょう。


◆ 冷房にたよりすぎる生活
 冷房の効いた部屋に1日中いると、汗をかく機会が少ないため、汗腺に老廃物や角質がたまり、汗をかいたときにこれらが一緒に体外へ排出されてしまいます。屋外へ出たり運動をして、自然な発汗を促すよう、生活習慣をみなおしましょう。


◆ ストレス
 ストレスによって交感神経が緊張すると、エクリン腺が刺激されて汗をかきます。ストレスは、体内に活性酸素を発生させやすいといわれ、過酸化脂質をつくり、ノネナールというにおい物質を発生させる原因になるのです。上手に気分転換をしたり、深呼吸をして緊張を和らげるようにしましょう。


◆ 生活習慣病
 高脂血症などの生活習慣病の人は、血中だけでなく皮脂腺にも汗腺が増え、ノネナールを増やす原因になっています。食生活を改善し、適度な運動を心がけましょう。


◆ 肥満
 太っている人は、脂肪が断熱材のようになり、普通の人より身体に熱がこもりやすく、汗をかきやすくなっています。また血中や皮脂腺に脂肪が増えるとにおいの元になります。太っている人は汗が多く、においも強くなるので、清潔を心がけるようにし、できればダイエットにも挑戦してください。


 夏は汗をかくもの。おなじ汗をかくなら、においのないさらさらの汗をかける身体を目指しましょう!


         
  【取材協力】五味 常明氏
五味クリニック院長。医学博士。
昭和大学医学部卒業。同大学形成外科で形成外科学、および多摩病院精神科で精神医学を専攻。 患者の心のケアと外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。近年ケアマネージャーとして、高齢者介護の現場でニオイのケアにも取り組む。
 
     
 
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