スポーツ時の熱中症に注意! こまめに水分をとって熱中症対策

夏のスポーツは水分補給をおこたると危険です

「運動前」「運動中」「運動後」、計画的な水分補給で熱中症を防ぎましょう

水分補給をおこたると熱中症の危険が

 以前は、運動している最中に水分をとると疲れるなどと言われましたが、今では、むしろスポーツ中も積極的に水分をとることをすすめられるようになっています。

 特にこれからの暑い季節、スポーツ中の脱水症状から熱中症を起こして倒れるケースが多くみられます。熱中症というと、体温の調整能力の低い乳幼児か高齢者がかかるものと思われるかもしれませんが、暑いなか、水分補給をせずにスポーツや作業を続ければ、健康な成人でも熱中症になる恐れがあります。また、体がまだ暑さに慣れていない6月や7月、梅雨明けごろは特に熱中症になりやすいので、今から十分注意を。
 普段はのどが渇いたときに水分を補給すれば十分でも、体を動かしているときには計画的に水分補給をする必要があります。

 人間の体の約60%は水分でできていて、ごく普通に生活しているだけでも1日約2.6リットルもの水分が失われると言われています。体内の水はカリウムイオンやナトリウムイオンなどの電解質を含み、汗をかくと水分と一緒に電解質も減ってしまいます。電解質は体の機能を正常に保つ働きをしているため、不足すると体の機能低下をまねき、筋肉痛や脱力感などが起こります。
 大量に汗をかくスポーツ時は、真水でなく、電解質を含むイオン飲料やスポーツドリンクなどで水分補給をしましょう。

熱中症で命を落すことも

 暑いときにスポーツをすると、体温が急激に上昇し、体温を下げようと大量の汗をかきます。このとき水分補給をおこたると脱水症状が起こり、汗をかくことができなくなります。そうなると上昇した体温を下げることができず、熱中症を起こしてしまうことがあります。熱中症の症状は、ふくらはぎがけいれんを起こしたり、たちくらみがするレベルから、からだがひどくだるくなって頭痛や吐き気がしたり、最悪の場合、意識障害を起こし命を落すこともあります。

 熱中症が疑われるときは、まず衣服をゆるめて風通しをよくし、冷房の効いた場所など涼しい場所に移動、スポーツドリンクなどで水分補給をしながらからだを冷やし、必要によって救急車を手配します。意識があっても足元がふらついたり、おかしな受け答えをするようなら、ただちに救急車の手配を。

スポーツ時は計画的に水分補給を

 スポーツ中はつい競技に熱中して水分補給をおこたりがちですが、熱中症を防ぐためには、運動前、運動中、運動後と、少なくとも3回は水分補給を。運動時は短時間に大量に水分を失うため、のどが渇いてから水を飲むのでは間に合わないこともありますから、計画的な水分補給が必要なのです。
 飲む量は、スポーツをする前と後に体重を測り、減少分を目安にするとよいでしょう。たとえば体重が1kg減っていたら水を1リットル補給するというように考えてください。

 熱中症になるのは、なにも炎天下ばかりとは限りません。屋内でのスポーツやサウナなどでも、大量に汗をかいて水分が不足すれば脱水の危険があります。スポーツクラブのエアロビクスやヨガなど、指導員が水分補給をすすめる場合は問題ありませんが、「やせるためにサウナで汗をかいても水分をとらない」などというのは危険です。必ず水分補給をしましょう。

水中運動でも水分補給は忘れずに

 夏におすすめのスポーツはなんといっても水泳や水中ウオーキングです。浮力を利用するため足腰への負担が少ない水中運動は、誰でも安心して長い時間続けて行うことができます。しかも陸上で行うスポーツとちがって水が体を冷やしてくれるため、長時間続けても体に熱がこもりません。
 ただし、暑くないからといって汗をかいていないわけではありません。からだを動かしていればたくさん汗をかきますから、水泳中も水分補給は忘れずに。

 また、スポーツで汗をかいた後のビールはとてもおいしいものですが、アルコールには利尿作用があり、飲んだ分以上の水分を排泄してしまうため逆効果に。ビールとは別に、必ず水分をとりましょう。

 健康のためのスポーツなら、できれば、暑い最中に屋外で行うのは避けるほうが無難です。早朝や夕方の涼しい時間に行うようにして、睡眠不足や下痢、二日酔いなどで体調のよくないときは休むようにしましょう。

(「へるすあっぷ21」法研より)

【監修】
田澤俊明先生


新都心たざわクリニック院長
1953年生まれ。78年東京医科歯科大学医学部医学科卒業後、脳血管研究所附属美原記念病院勤務。85年より大阪脳神経外科病院を経て、88年秋葉病院院長に就任。2003年4月脳卒中予防のため「新都心たざわクリニック」開設、現在に至る。日本脳ドック学会評議員、日本脳卒中学会評議員・専門医、日本脳神経外科学会評議員・専門医。著書に『脳が若返る100のコツ』(主婦の友社)、『なぜ水泳と温泉は脳によいのか』(主婦の友社)など。

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