入眠体操を始めよう-日課にすれば緊張がほどけてぐっすり眠れる

夜と朝の体操を習慣づければ、入眠・起床の儀式としても有効

寝る前は筋肉の緊張をほぐしてリラックス。朝目覚めたら、体温を上昇させて活動モードに切り替える

規則正しい生活を心がけ、眠るための環境を整えよう

 この夏も暑さで寝苦しい日が続きましたね。寝不足から朝すっきり起きられないという方も少なくないでしょう。朝すっきり起きるためには、やはり質の良い十分な睡眠が大事。たまった夏の疲れをとるためにも、涼しくなるこれからの季節、質のよい睡眠を確保したいものです。

 睡眠の質を高めるためには、規則正しい生活を送ることが大切です。それには、(1)毎朝決まった時間に起きる、(2)日中は活動的に、夜は休息する、(3)3食決まった時間に食事をとって生体リズムを整える、などのポイントを押さえておきましょう。

 次に、眠りにつきやすい環境を整えましょう。明るさや音、室温、湿度といった寝室の環境を整えることはもちろんですが、体の状態を眠りにつきやすい状態にもっていくことも大切です。私たちは日中何かと緊張しながら活動していますから、就寝前は心身をリラックスさせて、昼間の緊張をときほぐすことが必要です。また人間の体は、体温が低下していくときに眠りに入りやすくなります。
 この「リラックス」と「体温の低下」、どちらの面でも入浴はおすすめです。ぬるめのお風呂(38~40℃程度)にゆっくりつかると、副交感神経が優位になってリラックスできますし、体が温まったあとは深部体温が下がり始め、それとともに眠くなっていきます。
 逆に、朝すっきり起きるには熱めのシャワーがおすすめ。熱いお湯の刺激で交感神経にスイッチが入り、活動モードへの切り替えが促されます。

 ぐっすり眠って朝すっきり起きるために、入浴と同様おすすめなのが、次に紹介する寝る前と朝目覚めたときの体操です。これらを毎日行って習慣化すれば、「これをすれば眠れる、起きられる」と条件づける入眠・起床の儀式としても有効です。ぜひ試してみてください。

寝る前の軽い体操で心身の緊張をほぐす

 寝る前の軽い体操には、体をほどよく温めて筋肉の緊張をほぐし、心身をリラックスさせる効果があります。首や肩、背中などが凝っていては気持ちよく眠れませんが、体を軽く動かすことで血液循環がよくなり、コリがとれて眠りにつきやすくなります。目を閉じてゆっくり腹式呼吸をくり返すのもおすすめです。逆に、激しい運動は交感神経を興奮させるので逆効果です。

●全身脱力体操
 全身に力を入れて緊張状態をつくったあと、脱力して筋肉を緩ませると、全身がリラックスできます。

(1)あおむけで大の字になります。手を握って顔と手足にギュッと力を入れ、5秒間ブルブルとさせます。

(2)ゆっくり息を吐きながら全身の力を抜きます。手足をだらんとさせて5秒間保ちます。(1)から(2)を数回くり返しましょう。

●手足ぶらぶら体操
 これだけでも全身の筋肉の緊張がゆるみます。

・あおむけに寝て両手足を上げ、手首・足首の力を抜いて手足をぶらぶらさせます。気持ちがよい程度に続けましょう。

朝目覚めたら体を動かして体温を上げる

 朝目覚めたときは、副交感神経が優位で深部体温は低く、筋肉は固く縮まった状態にあります。体を動かすことで体温が上昇し、脳と体が活動モードに切り替わりやすくなります。まずは布団の中でゆっくり「伸び」をして、全身の筋肉を伸ばしましょう。そのままあおむけでお尻をゆっくり上げ下げしたり、片足を両手で抱えて胸に引きつける体操などをゆっくり行うとよいでしょう。

●筋肉伸ばし体操
 さらに胸、おなか、腰、背中と体の各部の筋肉を伸ばしていきましょう。あくまで無理のない範囲で、そのときの体の調子をみて行うようにしてください。

(1)うつぶせで両手をつき、息を吐きながら両腕を伸ばして上半身を反らせます。胸とおなかを気持ちよく伸ばしましょう。

(2)両手、両ひざを床につき、腰と背中を伸ばし、その姿勢を数秒間保ちます。

(3)(2)の姿勢のまま両腕を前に伸ばし、ゆっくりお尻を後ろに引いて脇と背中を伸ばします。(1)から(3)を数回くり返しましょう。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
梶村 尚史先生


むさしクリニック院長、杏林大学医学部非常勤講師
1981年山口大学医学部卒業後、同大学付属病院神経精神医学教室入局。90年国立精神・神経センター武蔵病院勤務。米国国立精神保健研究所(NIMH)への留学を経て、97年 国立精神・神経センター武蔵病院精神科医長に。2000年日本睡眠学会研究奨励賞受賞。03年むさしクリニック開院、現在に至る。専門は精神医学、睡眠医学、時間生物学。医学博士、精神保健指定医、睡眠医療認定医。日本睡眠学会、日本生物学的精神医学会、日本時間生物学会の評議員を務める。著書に、『毎朝スッキリ起きる技術』(光文社)など。

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