効果的なサプリメントの使い方-目的にあった成分の見分け方

栄養バランスのよい食事を基本に、足りない分を補う

ダイエット、スポーツの前後、疲れ、ストレス、美肌に、おすすめの成分は?

まず栄養バランスのよい食事。サプリメントは「補う」もの

 最近は、新聞・テレビ・インターネットなどでサプリメントの広告や情報を目にしない日がないほど。多くの人が健康や美容のため日常的にサプリメントを利用していますが、一方でサプリメントによる健康被害も多数報告されています。
 ここでしっかりと、サプリメントとはどんなものか、使用にあたって注意すべきことは何かを知っておきましょう。

 体に必要な栄養は食事からとるのが大前提です。しかし、偏食、朝食抜き、外食や加工食品が多いといった食生活におちいりがちな現代人にとって、バランスよく食べることは難しいかもしれません。
 また、バランスのよい食事をしているつもりでも、昔に比べ野菜などの栄養価が低下している、調理や加工の過程で栄養素が失われる、加工食品の添加物などがミネラルの吸収を妨げることがあるなどの理由で、必要な栄養を十分にとることは難しいという指摘もあります。また、服用中の薬の影響で特定の栄養素が不足する場合があることも知られています。
 そこで、食事で不足しがちな栄養素をサプリメントで補うことは、健康維持に役立つと考えられます。ただし、サプリメントだけで必要なすべての栄養素をとることはできません。私たちの体は、サプリメントからとれる栄養素以外にもさまざまな微量の栄養素を必要としていて、それらを多種類の食品からとることで健康を維持しているのです。
 もともとサプリメントは「補足」、「追加」といった意味。あくまで食事で足りない分を補うものと考えましょう。まずは日々の食事をできるだけバランスのよいものにすることが大切です。

特定の栄養素の過剰摂取、薬との飲み合わせに気をつけて

 サプリメントは薬ではなく、食品です。サプリメントには、ビタミンやミネラルなど足りない栄養素を補う目的のもののほかに、イチョウ葉やノコギリヤシなどのように体に対する何らかの作用を期待して利用されるものがありますが、これらを摂取したからといって病気が治ったり、治療が不要になったりするわけではありません。あくまで病気にならないように予防を目的として使用するととらえておいてください。
 作用は穏やかですが、サプリメントの不適切な使用によって健康に悪影響を及ぼすこともあるため、使用に当たっては次のような注意が必要です。

●摂取目安量をきちんと守る
 特定の成分を濃縮しているサプリメントは、手軽にとれる分、過剰摂取になりやすい。脂溶性のビタミン(A・D・Kなど)やミネラル(カルシウム、鉄、亜鉛、銅など)では、とりすぎから過剰症を起こしたり、他の栄養素とのバランスが乱れたりして体調を崩すこともあるので注意が必要。記載されている摂取目安量を守ること。

●薬との飲み合わせに注意する
 青汁やクロレラなどに多く含まれるビタミンKはワルファリン(血液を固まりにくくする薬)の作用を弱めることが知られている。このように特定の薬との飲み合わせによっては、薬の作用や症状に影響を及ぼすことも。持病などで薬を服用している人は医師や薬剤師に相談を。

●信頼できる製品を選ぶ
 原材料名、栄養成分などの含有量、摂取目安量、使用上の注意、何かあったときの連絡先など、パッケージに必要な情報が記載されているかをチェック。海外の製品には、日本での使用が禁止されている成分が含まれていることもあるので、個人輸入はすすめられない。

●密封して冷暗所に保管
 商品に記載されている注意事項を守り、きちんと保管を。特にポリフェノール、アスタキサンチンなどの抗酸化物質は酸化しやすいので、密封し、直射日光を避けて保管する。

目的別サプリメントの選び方

 くり返しますが、基本は栄養バランスのとれた食事をとること。そのうえで、気になることや目的に合わせてサプリメントを選ぶようにするとよいでしょう。

●ダイエットのサポートに
 ダイエットで食事量を減らすとビタミン・ミネラルが不足したり偏ったりしがち。そうなるとダイエットの効果も現れにくくなるので、マルチビタミンやマルチミネラルで補うのがおすすめ。特に糖質や脂質、たんぱく質の代謝に必要なビタミンB群を不足させないことも大切。エネルギー代謝を活発にするコエンザイムQ10 やα‐リポ酸などもよいといわれている。

●スポーツの前後に、運動効果アップ
 筋肉をつくり、そのエネルギー源ともなるアミノ酸BCAA(分岐鎖アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンの総称)を運動の前後にとると疲れにくくなり、疲労回復を助けるとされる。運動によって消費されるビタミンB群や抗酸化ビタミン(E・C)を補うのもよい。

●美容、アンチエイジングに
 肌にダメージを与えてシミ・シワの原因になるのが活性酸素。活性酸素を撃退する抗酸化作用のあるもの(ビタミンC・E、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、イソフラボンなど)がおすすめ。肌のはりを保つコラーゲン、うるおいを保つヒアルロン酸も補給するとよい。ビタミンCはコラーゲンの生成のためにも必要。

●疲労回復、ストレス予防に
 疲労回復にはエネルギー代謝に欠かせないビタミンB群を。ビタミンB群は互いに協力しあって働くため、単体でとるより「B群」として一緒にとるほうが効果的。運動をした後の疲れにはクエン酸やアミノ酸、疲れがたまったときにはニンニクなども。ATP産生作用があるコエンザイムQ10もおすすめ。
 ストレスの多い人は、ストレス時に消費されるビタミンCを。神経の興奮を鎮め、精神を安定させる働きのあるカルシウムをマグネシウムと一緒にとることもおすすめ。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
堀 美智子先生


医薬情報研究所(株)エス・アイ・シー取締役、薬剤師
薬科大学の医薬情報室に20年勤務の後、1998年医薬情報研究所(株)エス・アイ・シー 医薬情報部門責任者、1998年より現職。薬局を運営しながら、各種データベースの作成や書籍作成に携わっている。1998~2002年、日本薬剤師会常務理事を務めた。近著に『介護職必携!お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『知らないと怖いクスリと食品の危険な関係!』( マガジンハウス)など。

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