夏が終わっても熱中症対策は続けたほうがいい理由とは?

正しい熱中症対策を知って、暑さから身を守る

猛暑だった夏に比べて暑さが和らいだこの時期も、熱中症になる危険性が。健やかに過ごすためにしっかり対策を。

熱中症にならないための水分補給法

 熱中症は、高い気温と湿度によって引き起こされ、頭痛や吐き気、めまい等、ひどくなると意識障害になり死に至る場合もあります。

 気温が高くなると、体内の熱を放出するのが困難になります。さらに湿度が高いと汗をかいても蒸発しないため、脳にある体温調整機能がコントロールせず体温がどんどん上がってしまいます。汗を出して体温を下げるために、水分補給で体の水分量を十分に保つ必要があります。

 「喉が渇いた」と感じるときには体が脱水している状態なので、そう感じる前に水分補給することが大切です。普段の生活では、2時間に1度くらいの頻度で、コップ1杯の水分(約200ml)を摂る習慣をつけると、体の脱水を防ぐことができます。

 運動などで大量に汗をかいたときは、塩分も摂るようにしましょう。水だけを大量に飲んでしまうと、体内の塩分量が少なくなり血液中のナトリウム濃度が低くなってしまいます。結果、体がだるくなったりしびれたり、ひどくなると意識障害に至る「低ナトリウム血症」に陥る危険があります。

 失われた水分とナトリウムを補給するために、水と塩タブレットや飴を一緒に摂る、またはスポーツドリンクを選ぶとよいでしょう。

 部屋の中や就寝中でも熱中症になる危険があります。部屋の中にいるときは窓を開けて風通しを良くする、寝る前はコップ1杯の水を飲んでおくと、就寝中の熱中症予防になります。

 アルコールは利尿作用があるので水分補給にはなりません。飲んだ量は尿として外に出てしまうので、暑い日は特に、アルコールを摂取した分だけ水を飲むように心掛けましょう。

熱中症になったら、体のどの部分を冷やすのがよい?

 熱中症になってしまったときは、すぐに体を冷やして体温を下げる必要があります。ただし、おでこだけ冷やしても脳が「体全体が冷えた」と勘違いして、体温があまり下がらず効果がありません。

 体温を下げるためには太い血管を冷やしてあげましょう。首には動脈が2本通っています。水で冷やしたタオルや、氷や保冷剤をタオルで包んだもので首を冷やしてあげると、体温が下がっていきます。

 首と同じく太い血管のある脇の下、ももの付け根も一緒に冷やすとさらに効果的です。ただし、保冷剤を直接当てるのはNGです。急激に冷やすと失神する恐れもあるので、保冷剤は必ずタオルやハンカチで包んで使用しましょう。

 気温の高い日の外出は、服選びも大切です。肌に直射日光が当たらない露出を控えた服を選ぶと、汗をかく量が減り熱中症対策になります。また、ゆったりして通気性のよい服は、外にいても気持ち良く過ごすことができます。

 運動不足や睡眠不足、体調がすぐれないときは、熱中症になりやすいので特に注意が必要です。この時期はまだ気温や湿度の高い日があるので、規則正しい生活とこまめな水分補給でしっかりと熱中症対策を行いましょう。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
上符正志(うわぶ・まさし)先生


銀座上符メディカルクリニック 院長
1960年、山口県下関市生まれ。九州大学工学部在学中、医師が社会で果たすべき役割にめざめ転身、産業医科大学医学部に入学。卒業後、横浜市民病院外科、北里大学医学部救命救急センター、益子病 院内科などで治療に携わりながらも、病気の早期発見・早期治療の方法に限界を感じていた。そんななかでアンチエイジング医学と出会い、発症を未然にふせぐ患者本位の医療の可能性を見いだす。米ニューヨークのザ・サレーノ・センターで行われている最先端治療プログラムを習得し日本に導入。

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