若返りホルモン「DHEA」って知ってる? 副腎の抗酸化力とは

今注目の若返りホルモン「DHEA」を食生活でキープしよう

体に大切なホルモン「DHEA」。一度減ると戻らないDHEAを保つために食生活で気をつけることは?

元気な体と深い関係の「DHEA」ホルモン

 近年、“若返りのホルモン”ともいわれている「DHEA」が注目されています。

 アンチエイジング最先端のアメリカでは、昔から「体内年齢の指標となるホルモン」として重視されてきた一方、日本では「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と勘違いされるほど認知度が低いホルモンでした。しかし、体を若く健康に保つのに大切なホルモンとして、数年前からテレビや雑誌でも少しずつ取り上げられようになりました。

 DHEAは、抗酸化ホルモンとしての役割があります。人間の体はストレスを受けた時、対抗するために「コルチゾール」が分泌されます。適度な量のコルチゾールは体にとって必要ですが、過度なストレスによって増えすぎると体の酸化につながる厄介な物質。DHEAは、増えすぎたコルチゾールによる酸化から体を守る働きをしています。

 DHEAの働きはそれにとどまりません。男性ホルモンや女性ホルモンをはじめ、さまざまなホルモンがDHEAから転換され、ホルモンの源流としての役割を担っています。また、免疫力や代謝のアップ、記憶力の改善、細胞の再生力アップ、さらには更年期以降の女性を支えるホルモンでもあります。まさに若返りのホルモンです。

 DHEAは「副腎」から作られます。副腎とは、腎臓の上に乗るわずか3gの小さな臓器。腎臓のサポートではなく、ホルモンの製造と分泌を行う非常に重要な臓器です。

 残念なことに、DHEAは年をとるとともに減少していき、新たに作り出されることはありません。女性は20代を境に緩やかに減少、男性は40代を境に急減していきます。副腎を元気に保ち、DHEAの減少を抑えるためには、ストレスを溜め込まない努力が必要です。また、適度な運動・睡眠に加えて、食生活が鍵となります。

副腎を疲れさせない食生活とは

 抗酸化作用のある食物は体の酸化を防ぎ、副腎に負担をかけません。緑黄色野菜や玄米、全粒粉のパン、青魚や大豆、ナッツ類などは毎日の食事に積極的に取り入れましょう。

 発酵食品もオススメです。体のあらゆる機能を作り、体の錆びを防いでくれる酵素「エンザイム」が豊富に含まれています。80歳でエレベスト登頂に成功した三浦雄一郎さんは、納豆などの発酵食品を毎日摂っているようですが、とても理想的な食事だと思います。

 また、抗酸化作用のあるビタミンCを毎日摂りましょう。とくにビタミンCは、夜寝る前に摂取するのがオススメです。寝ている間にコルチゾールによる体の酸化を防いでくれます。

 一方、白い食材(食パンや白米、白砂糖など精製された食材)や加工食品は、体を酸化させて副腎疲労につながるので控えましょう。

 副腎が元気な状態とは、コルチゾールとDHEAのバランスが取れているときです。しかし、副腎が疲れている人の多くは、十分な量のコルチゾールが出ずに低血糖状態に陥っています。無性に甘いものが欲しくなり、一気に食べると血糖値が急激に上がり、またしばらくすると急激に低下。血糖値の急激な上昇・下降の繰り返しは体の負担になります。

 そのためにも朝はしっかり食べて昼は適度な量を。夜までに小腹がすくようならおにぎり1個程度の軽食を摂り、夜は少なめに。空腹時間を長く作らないことが大切です。

 最後に「副腎疲労症候群」の簡単なチェックを行ってみましょう。

 副腎が疲れすぎて、コルチゾールもDHEAも作られなくなってしまう副腎疲労症候群は、うつ病に似た症状になる場合があります。副腎疲労症候群と気付かずに心療内科に通い続けて、症状が悪化する例もあります。

■ 急かされたり、プレッシャーをかけられたりすると、思考が混乱する
■ 緊張すると胃もたれ、胃痛を起こしやすい
■ 性欲が以前より著しく低下している
■ 貧血のような失神やめまいを起こす
■ 慢性的に疲れている。眠っても疲労が解消されない
■ たいてい体調がすぐれない
■ くるぶしが時々むくんでいる。夕方のほうがむくみがひどい
■ 心理的または情緒的なプレッシャーやストレスを受けた後は、たいてい横になったり休養する必要がある
■ 筋力が低下したように感じる
■ 手足がむずむずする
■ アレルギーを起こすようになった。また、アレルギー反応の頻度や重症度が増した
■ 顔、首、腕にシミが増えた
■ 原因不明の頭痛がしばしば起こる
■ 風邪をひきやすい
■ 血圧が低い
■ 忍耐力が減った。他人に対して以前よりイライラする
■ 首のリンパ節が腫れていることが多い
■ 理由もなく吐き気がしたり、実際に嘔吐したことがある
参考:ジェームズ・L・ウイルソン著/本間良子訳・本間龍介監修「医者も知らないアドレナル・ファティーグ」

 自分に当てはまると強く感じた項目がいくつかあれば、副腎疲労症候群の可能性があるかもしれません。症状が改善しないのであれば、一度抗加齢医学専門医を受診することをオススメします。

 年とともに減少するDHEAを少しでも保つように、普段の食生活をもう一度見直してみましょう。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
上符正志(うわぶ・まさし)先生


銀座上符メディカルクリニック 院長
1960年、山口県下関市生まれ。九州大学工学部在学中、医師が社会で果たすべき役割にめざめ転身、産業医科大学医学部に入学。卒業後、横浜市民病院外科、北里大学医学部救命救急センター、益子病 院内科などで治療に携わりながらも、病気の早期発見・早期治療の方法に限界を感じていた。そんななかでアンチエイジング医学と出会い、発症を未然にふせぐ患者本位の医療の可能性を見いだす。米ニューヨークのザ・サレーノ・センターで行われている最先端治療プログラムを習得し日本に導入。近著に、『若くて疲れ知らずの人は副腎が元気!』(マガジンハウス)がある。

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