美肌効果のある温泉の成分って何? 美人の湯のはどんなお湯?

条件は疲労回復、リラクゼーション、美肌効果が得られること

心身を健康にする効果がある温泉。さらに美肌効果もあるのはどんな温泉?

温泉には心身を健康な状態にする作用が

 暑くも寒くもなく、すごしやすい季節になりました。お天気も落ち着いて、週末は小旅行でもという人もいるでしょう。山あいの温泉ならちょうど紅葉も見ごろ。紅葉狩りを兼ねて、温泉旅行はいかがでしょうか。うれしいことに、山あいの温泉には「美人の湯」が多いとか! どうせ行くなら「美人の湯」に出かけてみませんか?

 「風呂好き」の日本人にとって、温泉はまた格別。温泉には、リラックス効果はもちろんのこと、心身を健康にする次のような効果があります。

 まずは「温熱効果」。体が温まることで血液循環がよくなり、新陳代謝を高め、老廃物の排出を促します。その結果、筋肉や関節の痛みがやわらぎ、肩こり、神経痛、関節リウマチなどに効果があります。とくにぬるめのお湯には鎮静・鎮痛作用や興奮をおさえる作用があり、リラックス効果も高まります。
 次に「浮力効果」と「水圧効果」。浮力で体が軽くなり、体を動かしやすくなります。とくに腰やひざへの負担が少なくなるため、痛みがある人のリハビリにも効果が。水圧は体を刺激して血行をよくし、足のむくみをとり、内臓の働きを活発にします。

 以上は、単なるお風呂でも期待できるけれど、温泉のほうがより効果が高いといったものですが、温泉ならではの効果が「含有成分」による化学作用。温泉に含まれるさまざまな成分が皮膚に直接、または皮膚から体内に吸収されて全身に作用したり、飲むことによって胃腸や全身に作用し、皮膚病、糖尿病や胃腸病などの慢性疾患に効果があります。
 温泉地の気候・環境作用も見逃せません。気候(気温・気圧・湿度など)や環境(光線・空気・イオン・フィトンチッド・海洋物質など)によって、精神の安定や鎮静作用が得られ、ストレスの緩和など、心身に優しいさまざまな作用がもたらされます。

 そして、これらすべての総合的作用によって得られ、温泉療養の効果のなかで最も重要なのが、自律神経やホルモンバランス、免疫系を本来の状態に戻し、生体リズムを回復させるという「総合的生体調整作用」で、これによって心身をより健康な状態に整えることができるのです。

美人の湯の条件

 さて気になる「美人の湯」の特徴はどういうものでしょうか? 島根県の「湯の川温泉」、和歌山県の「龍神温泉」、群馬県の「川中温泉」など、「美人の湯」と呼ばれる温泉は日本全国に数多くありますが、それらの共通点は疲労回復、リラクゼーションにプラスして、美肌効果が得られること。具体的には次のようなことがあげられます。

・pH7.5~8.5の弱アルカリ性(pH:ペーハーまたはピーエッチ=水素イオン濃度)
・ナトリウムイオン、カルシウムイオンを多く含む
・硬度の低い軟水である
・お湯の温度が低め(お湯の温度が高いと皮脂をとりすぎて肌がカサカサになり、リラックス効果も得にくい)

 なお、美人の湯の共通点ではありませんが、酸性度の強い温泉は皮膚の角質を溶かし肌を荒らしますが、長期的にみると、ケミカルピーリングに似た効果があり、美肌効果があるといえます。

美肌効果の高い泉質はこれだ

 温泉にはナトリウム、カルシウム、アルミニウムなど、さまざまな成分が含まれ、その含有量によって温泉の特徴を分類したものを泉質といいます。なかでも美肌効果の高い泉質を紹介しましょう。

重曹泉(ナトリウム炭酸水素塩泉)…重曹成分が角質を軟らかくし、古くなった角質や余分な皮脂、汚れを落とし、肌をすべすべにする。重曹はまた、皮膚の水分を保つ保湿効果が大きく、入浴後の皮膚の乾燥やかさつきを改善する。豊富に含まれるカルシウムイオンは肌をなめらかにするとともに、乾燥、かゆみを抑える。美肌だけでなく、乾燥肌やアトピー性皮膚炎にもおすすめ。

アルカリ性単純温泉…アルカリの作用で、角質が保湿作用のある物質をしっかり抱えこんでお肌がすべすべに。そのためには、アルカリ性というだけでなく、重曹などの保湿作用のある成分の多いことが重要。アルカリ性の強い温泉に長時間つかると、大切な保湿成分を失い皮膚がカサカサになってしまうことも。(循環方式の温泉では循環を繰り返すうちにpHが下がるため、美肌効果は期待薄)

石こう泉(カルシウム硫酸塩泉)…皮膚の回復効果が高く、切り傷などによい。カルシウムイオンは重曹泉同様、肌をなめらかにし、かゆみも抑えるので乾燥肌やアトピー性皮膚炎にも向いている。硫酸塩イオンの収れん作用が肌を引きしめハリを保つ。

硫黄泉…硫化水素を含まない硫黄泉と含む硫化水素泉がある。硫黄泉の洗浄殺菌作用や漂白作用は角質層のメラニンを軽くし、ニキビや油性肌を改善する。
 硫化水素泉は皮膚を刺激して毛細血管を拡張し、ターンオーバーを促進するので美肌効果が(炭酸ガスも皮膚を刺激するので炭酸泉にも同様の効果あり)。酸性度が高く刺激が強いため長湯に注意し、上がり湯は必ず水道のお湯で。

明礬(みょうばん)泉(含アルミニウム泉)…肌を引きしめ弾力を保つので、しわ、たるみ肌に効果がある。

塩化物泉…塩分の作用で皮膚の水分蒸発を防ぎ、入浴後も肌のなめらかさが持続する。湯冷めしにくい。

 美肌効果のある温泉がこんなに。自分の肌質に合った温泉を見つけて、今度の週末は「美人の湯」へ!

【監修】
漆畑 修先生


東邦大学医学部客員教授、宇野皮膚科医院院長
1973年東邦大学医学部卒業後、東邦大学医学部皮膚科教室入局。1978年より東邦大学医学部大橋病院皮膚科講師、准教授、皮膚科部長、院長補佐を経て、2007年4月より現職。医学博士、皮膚科専門医、温泉療法医。

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