冷え症・風邪を改善するツボマッサージ-イラストで解説付き

寒く乾燥する冬、特につらい冷え性や風邪に効くツボを紹介

冷え症は巡りをよくすること、風邪には風の邪気が通っていく風門、風池、風府のツボがよく効く

ツボ療法で症状を和らげ、風邪をひきにくい体をつくる

 寒くて乾燥する冬は、冷え性の人にとってはつらい季節ですね。風邪やインフルエンザも流行してきています。今回は、冷え性と風邪に効くツボマッサージを紹介しましょう。

 東洋医学では人間を一つの小宇宙として捉え、体の不調や病気を宇宙(環境・自然・外界)との結び付きから総合的、全体的に考えます。たとえば風邪をひくのも、寒さと乾燥でウイルスが活発に活動する環境があり、体の疲れや冷えで体調を崩したとき、ウイルスに感染しやすくなるため。というように、小宇宙である体と、宇宙が密接に関係するわけです。

 もちろん、西洋医学を否定するものではありません。何らかの疾患の疑いがあれば、医療機関を受診することをおすすめします。ツボ療法は感染症や外科には無力ですが、風邪の症状を和らげたり、体力を回復させるとか、風邪をひきにくい体質に改善することなどは得意です。冬の体調管理にぜひお試しください。

冷え性には、まず温めてからツボを刺激すると効果的

 女性には冷え性の方が多いですが、腰や手足の冷えを感じながら生活するのは不快なものですね。月経困難症や更年期障害などの婦人科系の症状に伴って、より強く冷えを感じることもあります。そんなときは、巡り(めぐり)を良くする治療をします。

 まずは冷えた腰や下腹部、肩口(これから紹介するツボのあるエリアがさらに効果的)を湯たんぽや蒸しタオル、ホットパックなどで温めたり、少し熱めのお湯で足湯や肘までお湯につける手湯をして温めます。その上でツボ療法を行うとさらに効果的です。

 特に背中から足腰にかけては冷えるとこりやすいので、背中のツボを指圧、マッサージします(『自分でできる簡単ツボマッサージ5』『簡単ツボマッサージ15』『簡単ツボマッサージ16』参照)。冷えにはツボへのお灸も効果的です。

 さて、特に下半身の冷えや月経周期を順調にするのに効果があるツボとして、腰の胞肓(ほうこう)、足の復溜(ふくりゅう)と三陰交(さんいんこう)のツボセットがおすすめです。指圧やお灸で刺激します。

 腰から足の血行促進には太もものつけ根の気衝(きしょう)、衝門(しょうもん)が効果的です。ここには足に流れる大きな血管が走っているので、強くジンワリ押していき、パッと手を離す手技を繰り返すと血行が促進されて冷えが和らぎます。ただし、足の疾患(血栓や静脈瘤など)がある方はやってはいけません。

 手が冷たくなる冷え性の方には、手の指圧やマッサージが効きます(『自分でできる簡単ツボマッサージ6』『自分でできる簡単ツボマッサージ7』)。合谷(ごうこく)や曲池(きょくち)にお灸をするとさらに効果的です。

 また、朝夕に手足の指の爪の生え際(井穴:せいけつ)を親指と人差し指ではさんでもむこともおすすめです(『簡単ツボマッサージ10』)。手先や足先の循環を良くすることはもちろんですが、経絡は足や手の指先から入ったり出たりして体を巡っていますから、体全体の巡りを良くするのにもってこいなのです。

 冬は手足の乾燥が気になりますから、ハンドクリームなどで保湿しながらマッサージを行うとよいでしょう。体の隅々まで循環が良くなると、冷え性ばかりでなく体の調子も良くなります。

風の邪気(風邪:ふうじゃ)が引き起こす風邪(かぜ)は邪気の通り道を刺激

 同じ環境にいても、感染症にかかりやすい(風邪をひきやすい)人とそうでない人がいますね。どのように違うのでしょうか?
 体力、気力が充実している人でも、不摂生をしていれば風邪をひきやすくなります。無理な仕事を続けて疲労がたまり、ストレスの多い人間関係に疲れ果て、心身の不調を訴える人が少なくありません。反対に、恋をしているときや嬉しいときなどは、気力体力ともに充実していれば、ちょっとした不調なら気合で遠ざけてしまいます。

 さて東洋医学では、病気になる原因を「邪気(じゃき)」と言います。「邪」は邪悪の邪で、よこしまなこと、正しくないことを表します。この邪悪な「気」(邪気)が体に入って来ると病気が引き起こされると考えました。
 「邪気」には、寒、暑、風、湿、熱、燥、火と7つの種類があり、このうち風の邪気(風邪:ふうじゃ)によって引き起こされる病気が「風邪(かぜ)」と呼ばれるようになりました。風邪は「風門(ふうもん)」というツボから入って人に風邪をひかせ、「風池(ふうち)」に溜まり、さらに「風府(ふうふ)」に集まって風邪をこじらせると考えられています。

 このように人の体に入った邪気は、気の流れに紛れて入り込み、巡り、気血の巡りを滞らせて人を病気にし、症状を引き起こすと考えられています。ツボ療法は、この邪気の溜まりやすい場所(=ツボ)を治療することで、邪気を取り除いて症状を回復させたり、邪気を溜めにくくして健康な体をつくり、症状の改善や回復につなげる治療なのです。
 したがって、一つのツボを押せばその病気なり症状がすべて治ってしまうというものではなく、色々なツボを組み合わせて、症状や体調を整えるのです。
 また、風邪をひいてせきをすると背中が張りますし、胸部の緊張によって頭頸部も肩も張るでしょう。そんなときは、この緊張をほぐす指圧を加えたりします。このように、症状によってもツボを組み合わせていきます。

 しかし、一つの症状に対して紹介しているツボすべてを的確に押さなければ効かないわけではありません。ツボ療法を受ける方の反応があるところ(押されて気持ちが良い、ズンと響く、効く、痛気持ちいいところ)を選んで、その人に合った施術をすることが大切なのです。
 このようなツボ療法を、ご家族やパートナーとコミュニケーションを取りながら行うのはとても良いことです。的確なツボを知ることも大切ですが、それよりも、言葉と心を通わせ、相手の反応を観察しながら、相手の望むことを本人以上に見つけてあげることが、良く効くツボ療法のコツです。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
佐藤 明子先生


心愛治療院 院長
宮城学院女子大学卒業後、神奈川衛生学園専門学校卒業。鍼灸按摩マッサージ指圧師、リンパ浮腫療法士(日本リンパ学会・日本脈管学会・日本血管外科学会・日本静脈学会認定)、日本医療リンパドレナージ協会 上級修了。2002年より、がん術後リンパ浮腫治療とがん術後の身体のコリ・張りの専門治療を行っている。
南青山『心愛治療院』(http://sinnai.net/

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