ほくろができるまで-ほくろに似た皮膚のがん・メラノーマを解説

皮膚がんの一種メラノーマ(悪性黒色腫)に注意

色素細胞の集まり。紫外線の当たる場所に多い。思春期以降にできて大きくなる場合は受診を

色素細胞が高密度に集まった斑点

 誰の顔にも1つや2つは見つかりそうなほくろ。その語源は古くは「ははくそ」。母の胎内でくっついたカスと考えられていました。鎌倉時代には「ははくろ」ともいわれ、それが転じて「はうくろ」という言い方も生まれ、今のように「ほくろ」と変化したのは室町時代――と言われています。

 ほくろの正体は、皮膚の表面(表皮)にある色素細胞(メラノサイト)が高い密度で集まってできた斑点(はんてん)。色素細胞は表皮の下のほうに一定間隔で離れて存在していますが、かたまって増えることがあり、それがほくろです。顔だけでなく体のどこにでも見られ、その数は日本人なら平均30個くらいはあるとか。

紫外線の当たる場所、特に顔にできやすい

 ほくろの大きさはほとんどが直径5~6mm以下ですが、ごくまれに10 mmを超えるものができることもあります。形は、平坦なしみ状のものもあれば少し盛り上がったものも。
 生後数カ月からでき始めて少しずつ増え、30歳を過ぎる頃からは新しくできるものは減ってくると言われます。そもそもなぜほくろができるのか、その理由は分かっていません。

 ほくろが褐色や黒色なのは色素細胞がつくり出したメラニン色素のせい。皮膚が紫外線を浴びると色素細胞は褐色や黒色のメラニン色素をつくって表皮細胞に分配。これによって表皮細胞の遺伝子が紫外線の障害を受けないように守っています。
 したがって、ほくろのできやすい場所は紫外線の当たる部分。顔が最も多く、次いで首、腕、手、肩など。

ほくろに似た皮膚のがん・メラノーマ

 ほくろは良性のできもの(腫瘍)で体には無害ですが、一見ほくろに似ている厄介者が、メラノーマ(悪性黒色腫)という悪性の腫瘍(がん)。色素細胞ががん化したものと考えられていて、がん細胞がメラニン色素を多量につくり出している場合が多いので主に黒色をしています。
 子どもにできることはほとんどなく、30歳以降にできるのが一般的。日本人にはまれながんですが、足裏や手のひら、手足の爪などにできやすいとされています。

●思春期以降に気づいた7 mm以上のほくろは要注意
 一般的なほくろがメラノーマに変化することはほとんどありません。しかし、もしもメラノーマだった場合、ほくろだと思って放っておくと進行してしまうことも。思春期以降に初めて気づいたほくろが大きくなっていたら、皮膚科の専門医に診てもらったほうがよいでしょう。
 受診する前に自分で疑ってみるチェックポイントがあります。

・直径が7mm以上(鉛筆の断面くらい)
・思春期以降にできて少しずつ大きくなっている
・形がいびつ(対称形でない)で色むらがある

切除したいなら皮膚科や形成外科へ

 ほくろは良性のできものなので取り除く必要はありませんが、どうしても気になる場合、自分で刃物などを使って取ろうとしたりせず、医療機関を受診してください。傷跡が変形したりする危険がありますし、もしもほくろではなくメラノーマだったら、刺激を与えてしまってほかの場所に転移する危険性もあるからです。

 切除は皮膚科や形成外科でやってもらうのがよいでしょう。メスで切除する以外に、炭酸ガスレーザーや電気療法、凍結療法などの方法があります。

(編集・制作 (株)法研)

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