細菌やウイルスの感染によるガン 肝臓ガン・胃がん・子宮頸がん

肝がんの90%はC型・B型肝炎ウイルス感染後に発症

がんの中には、ウイルスや細菌の感染によって発症するものがあり、肝がん、胃がん、子宮頸がんなどはその可能性が指摘されています。各がんに関与する細菌やウイルス、発がんとの関連、予防対策について紹介します。

肝がん―日本ではC型肝炎ウイルスの感染によるものが多い

 肝がんの約90%はC型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染した後、発症しています。とくに日本人にはHCVの感染者が多く、その数は100~200万人ともいわれます。しかし、HCV感染者のすべてが肝がんを発症するわけではありません。感染者の60~70%が肝炎を発症し、その後、慢性肝炎となる人も少なくありませんが、肝硬変、肝がんに進行するのは、そのうちの一部です。ただし、肝硬変になった人は、35%の割合で5年以内にがんを発症し、その治療後、異なった場所にがんが発生する確率は3年間で70%といわれています。

 肝がんの予防には、まず、感染の有無を確認し、肝硬変に進行させないことです。さらに重要なのが、新たな感染を防ぐことです。近年、新規の感染者はほとんどいませんが、歯ブラシやカミソリなど血液の付着しやすいものを共有しない、性行為の際にはコンドームを使用する、入れ墨やピアスは清潔な器具で行うなどの注意が必要です。

ピロリ菌―胃・十二指腸潰瘍や胃がんの原因になることも

 胃がんと関わりが深いとされる細菌がヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter Pylori=ピロリ菌 )です。ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜にすみついて慢性的な炎症を起こし、胃・十二指腸潰瘍や、胃がんの前がん段階ともいわれる萎縮性胃炎をひきおこすことがあるといわれています。ピロリ菌は井戸水などから経口感染し、日本の場合、国民の約半数、50歳以上では7~8割の人がこの菌に感染しているといわれます。

 しかし、感染者のすべてが胃・十二指腸潰瘍や胃がんを発症するわけではなく、多くの人は胃に問題を生じません。現時点では、ピロリ菌の除去は、胃・十二指腸潰瘍の治療のためには有効であるものの、病気を発症していない保菌者まで除菌する必要はないとする考え方が一般的です。

ヒトパピローマウイルス-感染者の1%ががんに

 子宮の頸部(腟につながっている部分)にできる子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって起きるといわれています。HPVは性行為によって感染しますが、多くの場合、自然に消滅します。しかし、消えないまま感染が長期化すると、子宮頸がんをひきおこすことがあります。アメリカでは75%の女性がこのウイルスに感染していると推計され、日本でもほぼ同程度と考えられますが、子宮頸がんを発症するのはこのうち1%ほどです。感染予防のため、セックスの際にはコンドームを使用しましょう。また、子宮頸がんは、早期発見・治療が有効ながんなので、性体験のある女性は、年に一度は検診を受けるようにしましょう。

(「へるすあっぷ21」、法研より)

【取材協力】
国立がんセンター研究所・副所長 若林敬二氏
国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センター・センター長 神田忠仁氏

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