女性にとって喫煙はこんなに怖い-タバコ顔や妊娠にも影響

女性は男性よりタバコによる被害を受けやすい

5月31日は世界禁煙デー、“恐怖のタバコ顔”にならないうちに禁煙しませんか?

若い女性の喫煙が依然として多いのは

 1989年、世界保健機関(WHO)が5月31日を世界禁煙デーと定めてから20年近くたっていますが、日本でも最近は公共の場や職場の禁煙化がどんどん進み、今年に入ってからは一部の新幹線では全面禁煙の列車が出ています。名古屋地区では5月からタクシーが全面禁煙となって注目を集めるなど、喫煙者はますます肩身の狭い思いをしそう。そんななか、男性の喫煙者は減っていても女性は横ばい、20~30代の女性ではむしろ増えています。

 テレビドラマやコマーシャルなどの影響で、タバコが「かっこいい」「おしゃれ」というイメージがあること、ダイエットのためにタバコを吸う人が多いことが原因と考えられますが、どちらも大きな間違いです。

シワシワ・パサパサの“恐怖のタバコ顔”に

 美容にとってタバコが大敵なのは常識ですが、「吹き出物ができる程度では」なんて思っていませんか? 実はそれだけではありません。

 タバコを吸うと女性ホルモンの分泌が抑えられるため、肌のうるおいとツヤ、ハリが失われ、シワが増えてきます。また、タバコを吸うたびに血液の流れが悪くなり、肌荒れやしみ、吹き出物などのトラブルも急増。煙に含まれる活性酸素などの有害物質が肌を老化させ……と、マイナス面はまだまだたくさんあります。若いうちは気にならなくても、30代後半になるとはっきりと差が出て老け顔に! しわが深くたるみが目立つパサパサの“恐怖のタバコ顔”になってしまうのです。こうなると、もはや化粧でごまかすこともできません。

 美容上のダメージはお肌だけにとどまりません。歯は黄ばんで歯ぐきは黒ずみ、しかも喫煙者は歯周病にかかりやすく、歯周病は口臭の原因になります。そのうえ喫煙者に特有の吐く息の臭さは口内から発生する悪臭だけでなく、肺から吐く息も原因なので歯磨きではとれません。「かっこいい」、「おしゃれ」とは程遠いのが実際です。

自分だけでなく子どもにも危険が!

 健康上の被害も、女性は男性よりも受けやすいと言われています。また、以下のように女性特有の影響があります。

●骨粗しょう症の危険が高まる:喫煙による女性ホルモンへの影響で骨量が減ったり閉経が早まり、骨粗しょう症になりやすくなる。

●胎児・子どもへの悪影響がある:妊娠中の喫煙によって胎児に十分酸素が行き届かず、発育が遅れる、低体重児が生まれるといったリスクが増加。授乳中の喫煙は赤ちゃんもニコチン中毒にさせてしまうという恐ろしい話も! 喫煙によって不妊になる確率も高まると言われている。

「タバコをやめると太る」という思い込みがあるが……

 よく女性は禁煙しにくいと言われますが、「禁煙すると太る」という思い込みも、その原因の一つとなっています。

 タバコをやめて体重が増えたという話をよく聞きますが、禁煙が直接の原因と考えられるのはわずか2キロ程度。喫煙による肺がんや乳がん、肺気腫などのほか、これまであげてきたデメリットを考えると、やはり禁煙したほうが健康面でも美容面でもはるかにプラスです。

 禁煙後に5キロも10キロも太ってしまったという方もいますが、それは口寂しさを紛わすため食べることに走ってしまった結果でしょう。タバコをやめると味覚が回復して食べ物がおいしく感じられますが、これまで以上に食べれば体重は増えます。しかし同時に、禁煙によって、酸素欠乏の元になる一酸化炭素が、体内から激減し正常化します。その効果で、これまでより早く歩いたり走ったりしても息切れすることがなくなり、階段の昇り降りなども楽になるはずですから、積極的に体を動かすようにすれば、体重を維持することは十分可能です。

 食事は、バランスよく規則正しくを心がけ、夜遅い食事やドカ食いはしない。口寂しくても間食はせず、深呼吸やストレッチをして気を紛らわせましょう。散歩をしたり、音楽を聴くのもよい方法です。

禁煙スタートの時期にも注意を!

 女性は、生理前はホルモンのバランスがくずれてイライラしがちですから、禁煙を始めるのは生理が終わった直後がベターです。仕事が忙しい時期などストレスがたまりやすいときも、禁煙を始めるのは避けるほうが無難でしょう。

 禁煙を成功させるには、やめたい理由をはっきりさせること。ばくぜんと「健康によくない」と思っただけでは禁煙は長続きしません。「タバコ顔にだけはなりたくない」、「子どもがほしい」、「息切れしないで走りたい」など、身近で具体的な動機を持つことが、禁煙成功への第一ステップです。

 また、タバコの本数を徐々に減らす節煙は、よほど意志が強い人でないと困難と思ってください。タバコの本数を減らしても、深く吸い込んだり、根元近くまで吸うなどして、結局前と同じ量のニコチンを吸収できるよう無意識のうちに体が調整してしまうのです。また本数が減った分、1本1本が大切なものに感じられ、次の1本が待ち遠しくてたまらなくなってしまいます。ぜひ、きっぱりやめる断煙を!

 また一人で頑張るよりも、インターネットや携帯電話のメールを使った「禁煙支援サービス」を利用するのも効果的です。費用もあまりかからず、いつでも気軽に専門家のアドバイスが受けられ、禁煙達成度に応じてキャラクターが変化するなどゲーム感覚で禁煙できる携帯電話を使ったサービスは女性に人気とか。
 禁煙本やインターネットの情報を参考に自分に合った方法を見つけて、あなたもぜひ禁煙を! いきいきしたお肌と健康を取り戻すことも不可能ではありません。

【監修】
阿部眞弓先生


東京農工大学保健管理センター准教授・内科医
東京女子医科大学病院呼吸器センター
東京女子医科大学病院附属女性生涯健康センター


東北大学医学部卒業。94年東京女子医大病院に禁煙外来を開設。01年携帯電話Web機能を使った「卒煙ネット」を公開。その後PCユーザー用「禁煙Webクリニック」を実用化。ともに広く普及し1万人を超える喫煙者を禁煙に導く。NPO法人「禁煙ネット」副理事。著書に『女の子のための禁煙BOOK』(メディアファクトリー)、『「禁煙」科の医者が書いた7日でやめる本』(青春出版社)、『99%禁煙できる本』(三笠書房)など。
『女の子のための禁煙クリニック』 http://www.mixpot.net/kin-en/

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