高血圧の人にすすすめたい食事法-8つのポイント

血圧をコントロールするには?

まず減塩。薄味でもおいしい工夫やカリウム食品でナトリウム追い出し。禁煙、適度な運動なども効果的。

おいしい減塩テクニック

 「サイレントキラー」(静かなる殺人者)の異名のある高血圧。その95%は、毎日の悪い生活習慣の積み重ねがベースにあるそうです。つまり私たちは、ふだん何気なく送っている生活ぶりのなかで、自分に牙をむく“殺人者”を育ててしまっているかもしれないのです。高血圧の症状が進んでしまったら薬で血圧をコントロールする治療法がありますが、“殺人者”を育ててしまうような生活習慣に手をつけないのでは本末転倒。すぐに血圧を下げなければ危険という状態でない限り、血圧コントロールは基本的に生活習慣の改善から始めなければなりません。

 改善すべき生活習慣のなかで、一番重要なのは食生活です。とくに食塩のとりすぎを抑えることが一番のポイントになります。食塩をとりすぎて体内のナトリウム濃度が高くなると、これを一定に保つシステムが働くのですが、高血圧になりやすい要因をもつ人は、このシステムがうまく働きません。血管の細胞内にナトリウムがたまって血管の内側を狭め血圧を上げてしまいます。また、体内のナトリウムの排出機能のある腎臓も、ナトリウムが多すぎると排出がうまくいきません。すると血液量が増えて血圧を高めることになってしまうのです。

 食塩のとりすぎを抑える食生活を実施するには、次のような工夫をしてみましょう。
(1)料理の味付けすべてを薄味にするのではなく、どれか1品はしっかりした味付けにしておくと、メリハリがあって食がすすむ。
(2)塩味の代わりに酢や酸味を効かせても、おいしく食べられる。
(3)薬味や香辛料で薄味にメリハリをつける。
(4)和え物などにごま、くるみ、ピーナッツなどの種実類や大葉、セロリなどの香味野菜を使うとコクと風味が増す。
(5)新鮮な食材を選んで、食材本来の味と香りを楽しむ。
(6)ごま油やオリーブオイルなど少量の調味油で調理すると、うま味が増す。
(7)汁物は具だくさんにすると、食塩を含んだ汁の量が控えられる。
(8)調理に減塩みそ・しょうゆを使う。

日常生活のなかの血圧コントロール

 食塩(ナトリウム)のとりすぎに注意する一方で、体内の余分なナトリウムを排出してくれるカリウムは積極的にとりたいところです。カリウムには、血圧を上げるレニン(たんぱく質分解酵素の一種)の活性化を抑えるという二重の効果が期待できます。カリウムの豊富な食品は次のようなものですが、このなかで果物は果糖も多く、食べすぎるとエネルギー過剰になるので注意しましょう。

●カリウムの豊富な食品
ほうれん草、春菊、大豆、枝豆、じゃが芋、さつま芋、里芋、わかめ、アボカド、バナナ、キウイフルーツなど

 食生活以外で血圧コントロールに役立つことというと、まず禁煙があります。たばこは1本吸うと収縮期(最高)血圧が10~20mmHgも上がるといわれます。たばこに含まれるニコチンが、血圧を上げる物質の分泌を促進するのです。軽いたばこにするとか喫煙本数を減らすといった小手先のことではなく、きっぱり禁煙すべきです。

 適度な運動を習慣的に行うことも、食生活の改善と並んで欠かせないプログラムです。適度な運動を続けると、体内では血圧を下げる物質が増え、逆に血圧を上げる物質は減ります。また、血液中の脂質を改善し、動脈硬化の予防にもつながります。運動による肥満の改善やストレスの解消といったことも、血圧改善の相乗効果として無視できません。運動種目としては、ウオーキング、ジョギング、サイクリングなど楽に呼吸をしながら長く続けられる有酸素運動が適しています。

(『スーパー図解 高血圧・動脈硬化  メタボリックへ転落しないための知識と生活処方』富野康日己監修、法研より)

【監修】
富野康日己先生


順天堂大学医学部腎臓内科教授
1974年順天堂大学医学部卒業。市立札幌病院勤務、東海大学医学部内科助手・講師、米国ミネソタ大学客員講師などを経て、88年順天堂大学腎臓内科助教授となり、94年より現職。日本内科学会(評議員)、日本腎臓学会(理事)、日本糖尿病学会(評議員)、アジア・太平洋腎臓学会(理事)などに所属。医学博士。著書に『腎臓病がよくわかるQ&A110』(医歯薬出版)、『徹底図解 腎臓病と慢性透析』、『腎臓病を治すらくらくレシピ』(以上、法研)など多数。

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